水・温度に反応して自ら性能を変化する、住友ゴムが次世代タイヤに搭載した新技術の中身
住友ゴム工業は22日、天候によって変化するあらゆる路面状態に対応する次世代オールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」を10月1日から順次発売すると発表した。水・温度に反応しタイヤ自らが性能を変化する新技術「アクティブトレッド」を搭載。夏・冬タイヤの性能を両立し、移動を快適にする。第1弾として40サイズを投入する。消費税込みの希望小売価格は2万1450円から。販売目標は非公表。 【写真】住友ゴムの次世代オールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」 山本悟社長は都内で開いた説明会で「未来を開くイノベーションとしてタイヤの概念を大きく変える」と自信を示した。 シンクロウェザーは水・温度に反応しゴムの性質を切り替える二つの「スイッチ」を搭載。ウエット・氷上でのグリップ性能を向上させた。ゴム内のポリマーの一部の結合を、共有結合からイオン結合に置き換えた。水に触れると結合が解けて軟らかいゴムに変化し、乾燥すると元の硬さに戻る。 また、一部のグリップ成分をポリマーから切り離しても機能するようにした。ポリマーと一体となるグリップ成分が少ないため、低温でも軟らかさを維持する。 トレッド(接地面)パターンでは「ノイズ低減Vシェイプパターン」を適用。V字ブロックや溝からの音を分散し、音圧やうなりを低減した。さらに接地圧を均一化し、接地面内の応力を低減して摩耗性能を高めた。 関東など準降雪エリアを中心に、どの季節でも安心して運転したいという顧客ニーズに対応する。今後は水と温度以外の性能追加を予定し「まだまだ進化をさせていく」(山本社長)と意気込む