国内投資家の前週の外債売越額が過去最高-米大統領選挙前
(ブルームバーグ): 日本の投資家は米国大統領選挙を前に過去最高額の外国債券を売り越した。
財務省が8日に発表した対外・対内証券売買契約などの状況によると、国内投資家が先週売り越した外国債券は4兆4600億円と、テータがさかのぼれる2005年以降で最大となった。
大規模な売りは、5日の米大統領選の結果について投資家が確信を持てなかったことを示唆する。トランプ前大統領の勝利に加え、共和党が上下両院を掌握する可能性が高まっているため、投資家は同氏の財政や関税政策が米国をはじめとする世界の債券市場にどのような影響を与えるかを注視している。
トランプ氏が優勢との見方が強まり米金利が上昇したことで「債券相場の下落リスクが警戒され、処分売りが進んだのではないか」とニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは話す。トランプ次期政権の陣容は不確実性が非常に高いため、「国内投資家がすぐに米国債に戻ることは難しい」とみる。
先週の売越額は、07年以降で最高額となった8月の買越額の半分以上に相当する。ブルームバーグが集計したデータによると、年初来の買越額は4兆4500億円となり、前年同期の19兆円から大幅に減少している。
--取材協力:船曳三郎.
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Masaki Kondo, Daisuke Sakai