スバルの2024年4~6月期決算、4年連続の増収増益 通期予想は為替や米国市場不透明で据え置き
スバルが5日発表した2024年4~6月期の連結決算(国際会計基準)は、売上高に当たる売上収益が前年同期比0.9%増の1兆921億円と過去最高になった。国内が稼働停止の影響で減産を強いられたが、円安が追い風となり4期連続の増収増益となった。ただ、為替や米国市場の先行きが見通しにくいことから、通期業績予想は据え置いた。 昨年2月の労働災害をきっかけとする国内工場の稼働停止が影響し、国内生産台数は前年同期から約1万7千台減った。主力の米国市場向けの出荷台数も減少し、24年4~6月の連結販売も前年同期に比べ2万4千台減った。米国では「フォレスター」のモデル切り替えにより1台当たりのインセンティブ(販売奨励金)が同2.6倍となったが、上半期は1㌦=145円と想定した為替が円安に振れ、409億円の増益要因となった。 通期予想は為替や市場動向が見通しにくいとして据え置いた。国内生産はすでに正常化し、米国では19年水準に迫る年間68万台の販売を計画している。ただ足元では、為替が1㌦=143円台と急激に円高となり、米国では景気減速も懸念されている。水間克之取締役専務執行役員CFO(最高財務責任者)は「米国の株安は自動車の消費にも影響があるので気にしている」と語った。ただ、同社としては販売が本格化する新型フォレスターをけん引役に販売計画の達成を目指す。