ボルテージ上がった? フィンランド凍てつく世界をハスキー犬のそりで疾走
THE PAGE
散らついていた雪も止み、風も止まった。対岸の丘陵を鏡のように写し出す湖。時間が止まったようなその光景は今でもはっきりと覚えている。冬の北欧を旅したのは2年前のこと、今年独立100周年を迎えるフィンランドに再び向かった。
ラップランドとは切っても切れないトナカイ。一年中のほとんどを放し飼いにされているが、全て誰かに所有されているらしい。北極圏の厳しい環境に適応するように保温性のある太い体毛を持ち、面積の大きい蹄のため雪に沈むことなく歩くことができるという。 そんなトナカイが引くそりに乗って雪原を走る体験もできる。サンタクロースになった気分を味わえるトナカイぞりだが、もともとはラップランドの先住民サーミ族の移動手段として使われていたそうだ。 トナカイぞりに続いて、犬ぞりの体験をしてみた。
一頭ずつハーネスで繋がれている時は、かなり人懐っこく撫でていても全然平気なハスキー犬なのだが、そりに繋がれると一気にボルテージが上がっていくようだ。 そりには大人3人とサファリガイドの計4人が乗る。そりを含めると300~400kgにもなりそうなそりを、縦2列に12頭繋がれたハスキー犬が、森の中、凍った湖の上を一気に駆け抜けていく。トナカイとはまた違った爽快感が体験できるアクティビティである。(つづく) (2017年12月撮影・文:倉谷清文) ※この記事はTHE PAGEの写真家・倉谷清文さんの「フォト・ジャーナル<独立100周年、冬のフィンランドへ>倉谷清文第8回」の一部を抜粋しました。