祖父の遺品を整理していたら、繰越済みの「通帳」が大量に出てきました。銀行に持っていけば処分してもらえるのでしょうか?
身内に不幸があった際、通夜や葬儀などが一段落したら遺品整理に取りかかるでしょう。遺品のなかに繰越済みの通帳が見つかった場合、どのように処分すればよいのか分からずお困りになる方もいるのではないでしょうか。 本記事では、通帳の処分方法や、処分時の注意点を解説します。 ▼実家で子ども時代の「通帳」を発見! 引き出しは可能なの?
不要な通帳はどうすればよいのか
基本的に繰越済みで不要となった通帳は処分して問題ありません。繰越済みの通帳は取引履歴を記録しているのみで、新しい通帳に繰り越した時点で通帳としての効力を失っているためです。どのタイミングで処分するかの決まりはないため、いつでも個人の都合で処分可能です。 ただし、ローンを組む予定がある方などは、審査の手続きで直近数ヶ月分の「通帳記載情報」の提出を求められるケースがあるため、1年分は保管しておいたほうがよい場合もあります。 では、故人の繰越済み通帳は、上述のように好きなタイミングで処分してしまっても問題ないのでしょうか。 故人の繰越済み通帳も原則として処分可能です。ただし、相続に関する手続きの際、相続開始からさかのぼって約5年間の通帳を提出するよういわれることもあります。そのため、繰越済みのものであってもしばらくは保管しておいたほうがよいでしょう。 なお、繰越済みの通帳ではなく少額でも残高がある通帳の場合は、相続手続きをして残高を引き出してから解約することになります。また繰越済みの通帳のみが見つかった場合は、万が一未払い金があるといけないため、この場合も相続手続きをして最新の口座内容を確認しましょう。 故人の通帳は、銀行側が口座名義人の死亡を確認すると口座凍結されます。死亡届を提出すると、すぐに銀行にもその情報が届いて口座を凍結するという訳ではありません。しかし、早めに手続きしましょう。
不要な通帳は銀行で処分してもらえる?
繰越済み通帳の処分を受け付けてもらえるかどうかは銀行によって異なります。また、銀行で処分してもらえるとしても、基本的には通帳を繰り越したタイミングのみとされています。そのため、「故人の不要な通帳を引き取ってほしい」と窓口で依頼しても、銀行本来の業務対象外であるため、原則として受け付けてもらえないと考えておきましょう。