岡田監督のボヤキ激化で感じた心配事 選手、コーチ陣との意思疎通で一大事に 打線はもともと日本一になった昨年も弱かった
【川尻哲郎「TIGER STADIUM」店主敬白】 今春の沖縄・宜野座キャンプで阪神・岡田監督を表敬訪問したときのこと。「(昨年の日本一で)店、儲かってるらしいな」といきなり〝内角〟を突かれて、ドキッとしてしまいました。 【写真】阪神・岡田彰布監督、自らバット手に森下翔太へ異例の熱血指導 実は私が東京・新橋で営むスポーツバーには、岡田監督の口癖に勝手にちなんだ「お~ん三種盛り」という前菜メニューがありまして、スパイシー風味の枝豆とブラックソーセージ、お好み焼き風ポテサラを盛り付けた一皿が、お客さんから「あやかりたい」と好評を博しております。今年も現状に甘えることなく、夏場限定の特別メニューを新たに考案中ですが、なかなかいいアイデアが浮かばず苦労しております。 苦労といえば、リーグ戦が再開したタイガースもいまだ貧打に泣かされてます。首位広島に2ゲーム差の2位、貯金2で何とか私同様に食いつないでいますが、一向に打線が上向かないので勝ってもムードが重い。 私が独自に張り巡らせている〝情報網〟(ホンマかいな)によると、岡田監督のボヤキも激化しているとか。 「佐藤輝は1軍に戻って悪くなってる。まだ(2軍に)落ちる前の方が打ち方は良かった」 「森下なんか試合前のフリー打撃で差し込まれて、ゲージから打球が出ない。外野席に打球が飛ばないから、(球場係員が観客に注意を呼び掛ける)笛がピーピーと鳴らない」 「(ほかの)皆も詰まった反対方向の内野席のピーピーばっかり。打順をナンボ変えても一緒。皆が打てないから意味ない」 「打撃が一番難しいんやから、簡単に考えんと仕方ない。シンプル、自然体で打てばええのに」 …などなど、岡田監督らしい物言いばかりですが、今の選手は私の時代と違い皆、真面目です。敗戦の責任が選手ばかりに向くと、いつか気持ちが切れてしまわないかと心配。独自の野球観を持つ岡田監督が「ミーティングで何度言うてもできない」とボヤくのであれば、細部に渡るまでの伝わり方に問題があるのかもしれません。選手、コーチ陣との意思疎通がうまくいかないと、それこそ一大事になります。 もともと打線は日本一になった昨年でも弱かったんです。「今それ言うか…」と阪神ファンに怒られそうですが、昨年は阪神が強いというより他が弱すぎました。今年はその他球団が皆、強くなっているから大変。でも4番大山が戻り、自慢の投手力もありますから、まずは球宴までの戦いが重要です。岡田監督のここぞ、の手腕に期待しましょう。 (元阪神投手、スポーツバー店主・川尻哲郎)