ビットコイン、1年以内にイーサリアムのようなプログラマビリティを実現：Rootstock創業者

ビットコインブロックチェーンのレイヤー2プロトコルに取り組むRootstockは、プログラマビリティの改善を目的とした「BitVMX」プロジェクトの詳細を明らかにした。BitVMXは昨年、開発者のロビン・ラインズ（Robin Lines）氏が発表して話題を呼んだ「BitVM」をもとにしている。 ブエノスアイレスを拠点とするプログラマーのラーナー氏は、ビットコインの生みの親サトシ・ナカモトのマイニングに関する初期の研究や、イーサリアムブロックチェーンの開発に貢献したことで知られている。ラーナー氏は5月1日、テキサス州オースティンでの開発者会議「Bitcoin++」に登壇し、「我々はこれを1年で完成させる計画だ」「全速力で進めている」と語った。 昨年、ラインズ氏が発表したBitVMは、理論的には、決済を安価、かつ高速にするためにイーサリアムブロックチェーンで使われているようなプログラミング可能なレイヤー2ネットワークの開発を促進することから、15年の歴史を持つビットコインブロックチェーンの技術革新につながるとして開発者から広く注目されている。 重要な点は、BitVMがビットコインのコードに変更を加えないことだ。ブロックチェーンは分散型組織であり、大きなアップグレードに関して開発者間の意見の不一致がしばしば起こってしまうため、コードに変更を加える必要がないことは非常に重要と考えられている。 ラーナー氏は先日、CoinDeskの独占インタビューで、同僚と新しいプロジェクトに取り組んでいることを明らかにしていた。その際、詳細は述べなかったが、4月下旬、Rootstock Labsはこのプロジェクトに関するブログ記事を公開し、「理論と現実はまったく異なるものだ」と、ライナス氏のオリジナルのコンセプトに触れ、以下のように続けた。 「BitVMXの研究チームは、この当初のコンセプトにさらなるイノベーションを加え、ビットコインブロックチェーン上でプログラムを実行するための改良された開発フレームワークを生み出すことを目指している。この名称は、オリジナルに敬意を表すとともに、ビットコインブロックチェーンを拡張し、次世代のサイドチェーンとレイヤー2の開発を加速させることに重点を置いていることを強調している」 さらに、「コア・コントリビューターのチームが、提案済みのネットワーク改善に関するこの先12カ月間のロードマップに取り組んでいる」としている。 また、併せて公開されたホワイトペーパーによると、「BitVMXフレームワークは、ビットコインブロックチェーン上で任意のCPUを動かすための基盤を提供し、標準的なコンパイルツールチェーンを使用してプログラム可能な完全準拠のRISC-Vプロセッサを実行することに焦点を置いている」という。つまり、この新しいシステムの技術説明のポイントは「多種多様なユースケース」を促進するということだ。 ｜翻訳・編集：CoinDesk JAPAN｜画像：Rootstockの創業者セルジオ・デミアン・ラーナー氏｜原文：Bitcoin's Ethereum-Style Programmability Could Come in 12 Months, Rootstock Founder Says