本田はカカと共存できるか?
本田圭佑がACミランへの入団を決めた。ワールドカップ・イヤーである2014年、日本代表のエースは、欧州屈指の名門クラブで背番号10を背負い、新たな挑戦に踏み出す。 日本とイタリア両国間の法務手続きの時間を考慮し、ミランのフロントは本田のミラノ入りを年明け5日以降と見込んでいる。ミランは欧州チャンピオンズリーグの決勝トーナメントへ駒を進めているが、CSKAモスクワでグループリーグを戦った本田は大会規定により出場できない。彼にとっての主戦場は、セリエAと国内カップ戦であるコッパ・イタリアになる。新天地でのデビュー戦は1月12日、サッスオーロとのセリエA19節が濃厚とされている。 気になるのは、新天地ミランでの本田のポジションと起用法だ。先週末、本田への期待を隠さないミランのガッリアーニCEOが、起用法について具体的に言及した。 「“クリスマスツリー(4-3-2-1)”でプレーするのであれば、本田は2列目の右で、“トレクアルティスタ(トップ下)”としてプレーすることになるだろう」 今季のミランは、セリエA15節終了時点で9位と低迷している。弱体化の激しい守備陣に中盤も引きずられ、シーズン序盤から攻撃の選手に故障が相次いだ。 チームの中核を担うイタリア代表FWバロテッリと元ブラジル代表MFカカがそれぞれスランプと怪我で出遅れ、チーム作りが遅れたこともあって、今季の戦い方のベースとなる戦術を見出せなかったミランは苦しい前半戦を送った。 試行錯誤を続けてきたアッレグリ監督は、冬の訪れを聞く頃から、4-3-2-1と4-3-1-2を使い分けるようになり、それに合わせて前線2人も復調してきた。後半戦巻き返しのために、チーム4年目の指揮官が頭に描くのは、本田をリンクマンとした攻撃のさらなる活性化だ。 バロテッリは抜群のシュート能力を誇る一方、ペナルティエリア内でのボールキープやワンタッチで瞬時に得点機を作り出す能力にも長ける。全盛期の瞬発力は衰えたものの、縦への動きとエリアの使い方に磨きをかけたカカは、セカンドトップとして見事に再生しつつある。