本田はカカと共存できるか?
本田のスルーパスを受けたバロテッリが豪快なシュートを放ち、カカとのワンツーで本田自らもゴールを狙う。最前線の2人を活かしつつ、自らも活きる重要なタスクが、本田には求められている。 ミランのロッカールームには、ベテランのロビーニョから若手ニアンまでFWが溢れかえっている。しかし、2人を繋ぐプレービジョンとパスワークができる人間はいない。 ポジションを争うと見られていた左サイドFWエル・シャーラウィとトップ下のMFビルサがともに負傷離脱したばかり。2人の復帰は早くて年明けと見られ、「彼は必ず戦力になってくれる」と言うアッレグリ監督は、本田の一日も早い合流を待ちわびているにちがいない。 バロテッリとカカによる2トップは考えにくく、本田のポジションはやはり“クリスマスツリー”の2列目が現実的だ。現地のミラニスタたちは、“新10番”の能力について未だ半信半疑だが、バロテッリを1トップに置き、2列目にエル・シャーラウィとカカ、本田を同時起用する超攻撃的布陣4-2-3-1を推す声も高まっている。 リーグ戦巻き返しのためには守備の建て直しという課題は残るが、攻撃の起爆剤として本田にかかる期待は大きい。起用されるのは確実だが、裏を返せば、即戦力としてすぐに結果を求められているともいえるのだ。 各国代表クラスのチームメイトに囲まれ、対戦するチームにもコロンビアやコートジボワール、ギリシャ各国の代表プレーヤーたちが揃う。世界制覇4度を誇る伝統国イタリアで、2014年の本田は走り出す。 (文責・弓削高志/イタリア在住スポーツライター)