白井元調教師と学ぶ血統学【158】サンデーサイレンスが日本の競馬界に与えたもの
3冠馬が多数出たのもサンデーサイレンスの力
松浪 サンデーサイレンスが登場してから、3冠馬が出るようになりましたよね。あれは能力が傑出していないと無理な芸当なのですけど、そういう馬が出てくるようになりました。 白井 それは言えると思う。ディープインパクトもそうやし、オルフェーヴルもそう。ジェンティルドンナもコントレイルもサンデー系の馬。 松浪 デアリングタクトはエピファネイア産駒ですけど、サンデーサイレンスの4×3を持っていました。リバティアイランドはドゥラメンテの産駒ですから、サンデーサイレンスの血がちゃんと入っています。 白井 サンデーが全体のレベルを底上げしていることの証明よな。ハットトリックみたいな馬も海外で種牡馬として成功して。ディープは言わずもがなやし。 松浪 ハーツクライ産駒も海外で勝っているし。 白井 そんなサンデーの産駒の最初の世代と最後の世代で僕はGⅠ馬を出した。誇らしいことやね(笑い)。 松浪 ダンスパートナーにフサイチパンドラ。 白井 そうそう。で、その間にスペシャルウィークを挟んで。 松浪 サンデーサイレンスがいてこその調教師人生ですね。 白井 うん、それは間違いないわ。幸せな人生やったと思うよ。 ☆白井寿昭(しらい・としあき)1945年生まれ。広島県呉市に生まれ、大阪で育つ。68年に上田武司厩舎の厩務員となり、78年にJRA調教師免許を取得。79年に開業した。95年のオークスをサンデーサイレンス産駒のダンスパートナーで制してGⅠ初勝利。98年日本ダービーなど、GⅠ4勝を挙げたスペシャルウィーク、国内外でGⅠを6勝したアグネスデジタルなどの名馬を管理した。2015年、定年により調教師を引退。現在は競馬評論家として活動している。
松浪 大樹