腕時計投資の伏兵・カルティエの“不人気モデル”が高騰したワケ。11万円の時計が「7年で50万円超」
不人気モデルになった後の相場は?
バブル期に流行ってしまったサントスガルベは、1990年代後半頃から、不人気モデルに転じるわけですが、そういった傾向は数年前まで続いてしまっていたといえます。またメーカー側も、ガルベの不人気を察知してなのか、2000年代にサントスのラインナップを変化させます。2002年頃からパネライが世界的な大ブームとなっていたのですが、サントスにもパネライの要素を投入。2004年に発表された「サントス100」シリーズは、それまでのサントスガルベとは異なり、大きなケースが採用。また、ストラップも革ベルトを中心とした展開でした。 サントスガルベは、メンズサイズでも約29mmと小ぶり。ストラップはブレスレットが基本でしたから、サントス100は、巨大ケース&革ベルトという真逆の存在だったといえます。ちなみに、2005年にサントスガルベにも「XL」というそれまで以上に大きなサイズが追加されたのですが、その頃のサントスの中心的存在は「サントス100」になっており、ガルベの存在感は薄かったといえます。 そしてその後、サントスガルベは「女性向けが中心」というラインナップに変更。2010年代中盤頃までには男性用サイズ(LM)が廃止となり、女性向けのSMといったサイズのみの展開になっていたのです。 2016年頃の中古相場では、男性用サントスガルベはどういった相場だったかというと、LM自動巻(後期ステンレス W20055D6)が24万円程度、LMクオーツ(W20018D6)が11万円程度といった状態でした。 2016年時点で、ロレックスなどの人気モデルは、既に「異常な値上がり」という意見が見受けられたといえます。私は、2015年に「腕時計投資のすすめ」という本を出したのですが、その頃書かれたレビューを見ても「高くなりすぎている」とか「今が天井」などと書かれていた様子があったぐらいでした。それぐらい、当時の相場は「高い」という印象だったのです。 しかし、そういった時期において、サントスガルベはクオーツが11万円程度、自動巻が24万円程度といった相場。これはリーマンショック後の時期(全体的に安価な相場だった頃)とそれほど大きく変わらないといえた水準だったのです。 ちなみに、2015年時点でロレックス「異常に高い」などといわれていましたが、現在相場は、2015年頃と比べて2倍以上であることを付け加えておきます。(例:エクスプローラー14270 2016年水準:約38万円、現在:約74万円)