ジェットスター・ジャパン、A321LRが後継有力 国際線も順次投入へ
ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)の片岡優社長は、現在保有する主力機のエアバスA320ceo(従来型A320)について、航続距離が長く、座席数が3割多いA321LRを軸に置き換えを進めていく方針を示した。現在は3機導入済みで、国内線の高需要路線を中心に投入しており、具体的な更新時期などを今後詰めていく。 【写真】ジェットスター・ジャパンのA321LRの機内 ◆19機あるA320ceo ジェットスター・ジャパンの機材はA320ceo(1クラス180席)が19機、A321LR(同238席)が3機。いずれもリース機として導入しているが、一定の時期を迎えたらリース元へ返却する必要がある。 グループ本社がある豪メルボルンで、 ジェットスター・グループが新制服をお披露目した現地時間2月29日に取材に応じた片岡社長は「(機齢は)長いもので12年、短いもので6年。機体自体は20年近く使えるが、A320ceoをずっと使い続けられるわけではない」とした上で、当面はA320ceoの運航を継続しながら、A321LRを軸に順次置き換えていく考えを示した。 また、A320ceoと機体の大きさが同じA320neoの導入も、検討課題として議論しているという。 ◆国際線投入も A321LRは、新型エンジンで燃費を向上させたA321neoの航続距離延長型。追加の中央燃料タンク「ACT(Additional Center Tank:追加センタータンク)」を備えることで約7408キロ(4000海里)飛行でき、成田を起点とした場合、東南アジアと中国本土のほぼ全域が圏内となり、インド東部にも就航できる。 ジェットスター・ジャパンは、2022年7月1日に初号機(登録記号JA26LR)を成田-福岡線に就航させ、現在は高需要路線である成田発着の札幌(新千歳)・福岡・那覇の国内3路線に投入している。中距離国際線への参入を見据えた機材だが、当時は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で国際線の需要が大幅に減少していたことから、高需要の国内幹線から投入することになった。 片岡社長は、座席数が30%増え、燃費も向上しているA321LRを「ものすごく優れた機体」と評価。「1席あたりのコストが下がる。高需要路線であればA320ceoよりも効率が良い」と語った。 既存の国際線へのA321LR投入の可能性については「路線は決まっていないが、今後は国際線へ徐々に投入していきたい」(片岡社長)とする一方、足の長さを生かした新路線は「まだまだ」と、中距離国際線には慎重な姿勢を示した。
Yusuke KOHASE