空前の神社巡りブームが来る!東京周辺「初詣」名所案内・前篇…いま「東国三社巡り」「小網神社」「田無神社」の注目度が急上昇している理由
最も関心が集まる初詣だけでなく
正月と言えば、初詣である。 初詣はお寺ということもある。たとえば、神奈川県川崎市の人たちは川崎大師に初詣に出掛けることが多いだろう。そこは真言宗智山派のお寺である。正式な名称は、「金剛山金乗院平間寺」という。 【写真】2025年は巳年、蛇の御利益を求めて「辨財天」「蛇窪神社」「北関東二社」 だが、初詣先として多く選ばれるのは神社である。神社の場合には、お寺に比べて境内が広いところが少なくない。地元の氏神や、その都道府県でもっとも規模の大きな神社に初詣することを習わしにしている。そうした人は多いはずだ。 その点で、神社にもっとも関心が集まるのは年始になる。だが、最近では神社巡りが盛んで、正月以外にも内外から多くの参拝者が訪れている。 しかも、これから神社巡りの一大ブームが訪れようとしている。これについては、最後にふれることにする。
神社は、そもそも何を拝んでいるのか
それぞれの宗教には特有の宗教施設がある。仏教の場合にはお寺になるが、キリスト教なら教会、イスラム教ならモスクが礼拝施設である。神社は神道の礼拝施設である。 神社には他の宗教の礼拝施設にはない特徴がある。それは自然と深いつながりをもっていることである。お寺だと、庭園があったりもするが、教会やモスクになるとそれさえない。それに対して神社は、鎮守の森も形成されており、自然に恵まれている。壮大な森が形成されている明治神宮が海外からの観光客にも人気なのは、それが関係している。 しかも神社では、海の神や山の神など自然を象徴する存在を祀っている。神が宿るとされるご神木もある。背後に神体山を持つ神社も少なくない。奈良の大神神社がその典型で、背後の三輪山がご神体になっている。大神神社の特徴は、拝殿はあっても本殿を持たないことにあり、拝殿からは三輪山を拝むことになる。
バスツアーも登場、東国三社巡り
最近では、御朱印を集めることがブームになっているが、そうなるといくつもの神社を巡ることになる。近年それで注目を集めているのが、「東国三社巡り」である。 これは、茨城県の鹿島神宮と息栖神社、千葉県の香取神宮の三社を巡るものである。東国三社巡りは江戸時代に始まるのだが、当時、伊勢参りをしてきた東北や北関東の人たちが、その終わりにお礼参りに三社を訪れる習慣があった。 その後は、あまり注目されなかったが、少し離れたところにある三社を巡ることが、バスツアーの格好の対象ともなり、多くの人たちが関心を持つようになった。 私は今年2月に息栖神社を訪れた。駐車場が拡張されていて、門前に土産物屋だかの店を作るための工事が進められていた。これは、息栖神社を訪れる人が最近急に増えたことを示している。