遠藤航もピンチ!? かつて“新監督”の元で冷遇された欧州日本人6人。監督交代により運命を変えられた男たち
なんで? ゴールを量産していたのに…。完全にサブへ
FW:岡崎慎司(おかざき・しんじ) 当時の監督:クロード・ピュエル(レスター) 共闘期間:2017年10月~2019年2月 リーグ戦成績:37試合2得点3アシスト 日本代表で歴代3位となる50ゴールを決めた岡崎慎司は、プレミアリーグで最も成功を収めた日本人選手と言えるだろう。 中でも“ミラクル・レスター”と呼ばれて旋風を巻き起こした2015/16シーズンのプレミアリーグ優勝は伝説となっている。当時の監督であるクラウディオ・ラニエリ、続くクレイグ・シェイクスピアの下でも主力選手としてプレーし、プレミアリーグ通算14ゴールは日本人史上最多、114試合出場も2位の成績である。 そんな岡崎も監督交代の余波を受けてしまった。2017/18シーズン途中の10月にクロード・ピュエルが新監督に就任すると一気に序列を落とす。このシーズンの岡崎は開幕から加入後ベストのペースで得点を重ねていたが、新体制ではデマライ・グレイの序列が上がってベンチスタートが急増。同監督の下では37試合に出場したが、先発は11試合のみ。2年目の2018/19シーズンはわずか1試合の先発出場と、完全にサブへと降格した。 ピュエルが2019年2月に解任されると、レスターはセルティックを率いていたブレンダン・ロジャーズを新監督に招聘する。この監督交代でも岡崎の序列は変わることなく、シーズン終了後に契約満了に伴い退団。フォクシーズ(レスターの愛称)での4年間の旅に終止符を打ったのだった。
まさかの構想外…。元日本代表監督には評価されなかった至宝
MF:久保建英(くぼ・たけふさ) 当時の監督:ハビエル・アギーレ(マジョルカ) 共闘期間:2022年3月~2022年5月 リーグ戦成績:8試合0得点0アシスト 久保建英は2度に渡るマジョルカ在籍期間で得点やアシスト、そしてチャンスクリエイトの面でチームに貢献していた。ところが元日本代表監督でもあるハビエル・アギーレの就任によって露骨に出場機会を減らすことになる。 アギーレがマジョルカの監督に就任する以前の久保は多くの試合でフル出場するなど、チームの中心選手としてプレーしていた。ところがチームを勝利に導くような活躍は披露することができておらず、第29節終了時点で1得点1アシストと数字を残せていなかった。 メキシコ人指揮官がマジョルカの監督に就任していた時点でチームは降格圏の18位に沈んでおり、目の前の目標である残留に向けて「堅守速攻」を戦い方のベースにする。戦い方を5バックへと変更し、カウンターサッカーで1つでも多くの勝ち点を稼ぐやり方で残留を目指した。 この戦術変更の餌食となったのは久保だ。日本代表MFは縦に速く攻めるのではなく、自らがボールを持ってリズムを作りたい選手で、アギーレ体制では多く序列がダウン。残留が懸かった最終節オサスナ戦に関しては出番すら訪れなかった。それでもアギーレ監督はラスト3試合を2勝1分で終えたことで、就任当初の目標であった残留を達成。日本のサポーターからすると皮肉なことに、“至宝“を主力から外したことが結果へと結びつく形となった。