お値段なんと3767万円! ホントにこれが時計なのか? 世界限定50本、文字盤も針もローターもないウブロの超複雑時計
空前絶後の腕時計!
時計好きにHOTな情報を厳選してお届けするENGINE WATCH NEWS。今月は、各ブランドの個性が反映された高額限定モデルに注目! ハイエンド限定モデル、続々登場! 【写真9枚】3767万5000円のウブロの超複雑時計の恐るべき構造とは? 詳細画像で細部を確認する ◆ウブロ MP-10 トゥールビヨン ウエイト エナジー システム チタニウム 誰もがこれを見て時計だとは思わないだろう。平らな透明カプセル内に、文字盤も針もないのだから。 しかし、中央に多列に並んだ回転シリンダーをよく見て上から下に視線を移せば、そこに記された数字で時分秒が読み取れる。しかも緑と赤で色分けしたパワーリザーブ表示や、底部には35度に傾斜したトゥールビヨンまで備える。ムーブメントと時刻表示を一体化したのだ。 自動巻きの巻き上げ機構もユニーク。一般的な回転式ローターではなく、左右に配したブロックがそれぞれ縦に往復運動し、巻き上げるのである。 コレクション名のMPはマニュファクチュールピースを意味する。2011年に誕生したMP-01は、すでに底部に垂直フライングトゥールビヨンを据えていた。13年発表のMP-05ラ・フェラーリは同名のスーパーカーの名を冠し、フェラーリのデザインチームと共同開発した。 この時も垂直トゥールビヨンを底部に備えていたから、このスタイルは正常進化ともいえる。アヴァンギャルドでありながら、伝統を重んじ、革新するウブロらしい超複雑時計である。 ◆研究開発に5年、部品点数は592点 ゼンマイは、ふたつのホワイトゴールドのウェイトブロックがそれぞれ縦軸に沿って往復し、両方向に巻き上げる。さらに稼働時の衝撃を緩和するショックアブソーバーシステムを開発し、特許申請中。パワーリザーブは約48時間。トゥールビヨンは秒スケールの視認性向上を目的に傾斜させている。 天頂のリュウズはゼンマイの巻き上げ用。時刻合わせは裏側のリュウズを使う。立体的なケースとフォルムを一体化した複雑なサファイアクリスタルを組み合わせる。研究開発に5年を費やし、部品点数は592点に及ぶ。世界限定50本。自動巻き。チタニウム、ケース径54.1×41.5mm、3気圧防水。3767万5000円。 文=柴田充 (ENGINE 2024年6月号)
ENGINE編集部