「緊急事態宣言」全国に拡大 安倍首相が会見(全文2)もっと早く判断すれば良かった
現金給付の一連の判断や対応のどこが問題だったのか
共同通信:共同通信の吉浦です。よろしくお願いします。全国民への一律10万円の現金給付は、一部の減収世帯を対象とした30万円の給付の補正予算を組み替えるという異例の経過をたどっています。当初の想定から支給日が遅れる可能性もあり、なぜ最初から一律給付にできなかったのかとの疑問の声も上がっています。先ほど総理は、混乱を招いた責任についておわびすると率直におっしゃいました。この現金給付に関する一連の判断や対応のどこが問題だったかとお考えでしょうか。 そもそもすべての国民に10万円の現金を給付しなければならない理由はなんなのか。また、実際に給付する際は、事前に振込先の口座などを申請した国民全員が受け取れるという流れになるのか。現時点で想定されている具体的なイメージも併せてお伺いします。 安倍:今回の緊急経済対策について政府は、また与党において議論をしたときにおいても、一律10万円という議論もございました。一方そのときに、リーマンショックのときに1万2000円をすべての国民の皆さんにお配りをした。しかし、いわば経済効果という観点からすれば、多くがこれは寝てしまった、預金となってしまったという反省点もありました。この30万円を決定した議論を行ったときには、2つのフェーズに分けて、今、非常に特定の業者、特定の事業の皆さんが、旅行に関わる事業の皆さんが大変な打撃を受けている中において、その皆さんをまず手厚く支援していく。そしてその先で収束が見えてきた、あるいは収束した段階においてV字回復をしていくという中において、その消費をすべての国民の皆さまが活用できる形で喚起していこうという判断をさせていただきました。
もっと判断を早くしておけば良かった
しかし、緊急事態宣言を行い、また今回、全国においてそれを広げてきたところでございますが、まさに特定の事業者、あるいはその周辺の関係者の皆さんだけではなくて、ほとんどの国民の皆さまがそれぞれ外出を自粛しなければいけない、どうなるかという本当に不安の中にあるわけでありまして、ここはもう皆さんが、国民みんなでこの状況を乗り越えていく、連帯して乗り越えていくということの中においては一律10万円、すべての国民の皆さんにお配りをするという方向が、新しいそういう判断をさせていただきました。 私も国民の皆さまからそういう声が強いということも承知をしておりました。そしてまた、与党からもそういう議論がありました。野党の皆さんもそういうお話があった中において、なんとかこの4月中に、国会の手続きも含めて、なんとか終えるぎりぎりのタイミングでこういう判断をさせていただいた。しかし、先ほど申し上げましたように、これは1週間遅れることになりましたから、もっと判断を早くしておけば良かった。これは責任は私にありますので、あらためて国民の皆さまにおわびを申し上げたいと、こう思います。 その上で、できるだけ早くこの現金を国民の皆さまのお手元にお届けしたいと思っています。どういう方法があるかということにおいては、例えばリーマンショック時は、全戸に対する給付申請の確認等に時間を要しまして、予算成立から多くの方々に給付を行うまでに3カ月の期間を要したわけでありまして、今回は申請手続きの簡素化と、さまざまな工夫をして、できる限り早く国民の皆さまにお渡しできるようにしたい。そしてまた先ほど申し上げましたように、感染リスクを減らすために郵送等でお届けをさせていただきたいと思っています。具体的な方法については今まさに、もう急ピッチで作業を進めています。まさにこれはスピードが極めて重要だと思っておりますので、できるだけ早く、いつまでにということをお伝えできるようにしていきたいと思っています。