阪神・伊藤将司、志願の紅白戦登板で2回パーフェクト 来季復活に手応え十分
阪神は3日、今キャンプ初の紅白戦を行い、白組先発の伊藤将司投手(28)が2回を投げて打者6人をパーフェクトに抑えた。4年目で自己ワーストの4勝に終わった左腕は、志願の登板で来季の復権に向けて手応えをつかんだ。 藤川虎の初実戦となる「11・3」に照準を合わせてきた。志願のマウンドだった伊藤将が2回をピシャリ。来季の先発ローテーション枠の奪回をアピールした。 「空振りやファウルが取れた。いい感覚で投げられた。これを来年に生かせたら」 一回1死から佐藤輝を直球で追い込み、チェンジアップで空振り三振。「真っすぐがしっかり投げられると、(ボール球の)変化球を振ってくれる」と声を弾ませた。その後も危なげなく、打者6人を打ち取った。 今季は苦悩の一年だった。春季キャンプから直球が走らず、変化球でかわそうとしたが、通用しなかった。新人の21年に10勝を挙げ、翌22年は9勝、昨季も10勝と勝ち星を重ねたが、今季は4勝5敗、防御率4・62。シーズン終盤は2軍暮らしが続いた。 「プロの世界は2年続いて駄目なら、野球人生は終わってしまう」。藤川新体制となった10月下旬の秋季練習で投球フォームを微修正。その成果を試すための紅白戦登板だった。「僕の生命線は低めに切れのある速球を投げること。軸足に体重を乗っけて腕を大きく振ることを心掛けた。昨年のいい時の状態に戻ってきた」と手応えを口にした。 食生活も見直した。大好きなラーメンを断ち、魚介類を多くとるようにした。高知といえばカツオが有名で「刺し身やすしをめいっぱい食べてます」。グラウンドでは若手に交じって体を動かし、夜は土佐料理でエネルギーチャージ。充実の秋を過ごしている。 秋季練習中から復調を感じ取っていた藤川監督は「課題だったボールがスルッと抜けてしまうところは消えていた。(本人も)手応えがあるんじゃないかと思う」とうなずいた。 「試合で(状態を)確認できたというのは、すごくでかい」 キャンプ3日目で初めて南国の太陽がグラウンドに差し込んだ。今年最後の実戦マウンドで失っていた自信を取り戻した伊藤将の表情も晴れ晴れとしていた。(三木建次)