《性的暴行で告発》王丹氏に退場を迫る中国民主化運動「脱中心化」の波
告発された王丹氏(『VOA』HPより)
1989年の天安門事件で学生リーダーだった王丹氏(54)が6月、男性への性的暴行で告発された。台湾で今年5月から突如盛り上がった #MeToo運動 の一環だ。王氏を支持する立場からは「告発は中国共産党による政治的陰謀だ」という反論もあったが、一連の議論からはむしろ、中国の民主化運動を率いてきた王氏らの世代と、昨年11月の白紙運動に参加したような若い世代との隔たりが鮮明になった。 王氏は日本でも有名な存在だろう。1989年6月4日に人民解放軍が民主化などを求めた学生らを武力弾圧した天安門事件で、当時北京大の学生だった王氏は、当局による指名手配リスト21人の筆頭にあげられた。事件後、二度にわたる投獄を経て、98年に米国に亡命した。その後は米国を拠点とし、後に記すように台湾の大学でも教鞭をとっていた。中国の民主化運動に人生を捧げてきた歴史的な人物といえる。主に国外から中国の民主化を目指す「民運圏」を代表する人物でもある。
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中澤穣