【川崎】指揮官の円熟の采配を強化部が的確な補強戦略でサポート。好循環を生んだ常勝チームの“特権”
「年末の選手からの電話は本当に取りたくない」
終盤戦に救世主的な働きを見せた橘田。的確な補強で有望株が定着する相乗効果が続くかぎり、川崎の未来は明るい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)
静かな優勝決定シーンだった。 しかし5年間で4度目の経験となる鬼木達監督は、こんな形での戴冠の可能性も半ば予期していたのかもしれない。「とにかく優勝したら喜ぼう」と話していたそうだ。川崎にとって優勝は、もはやノルマになっている。それを物語るように、まだJ1デビューから3年目の脇坂泰斗が「ホッとした」と繰り返した。 結局34節の浦和戦で連覇を決めたわけだが、全34試合だった昨年の成績と比べて豪快さは薄れた。昨年は1試合平均2・59ゴールを挙げ、今年前半の鬼木監督は「1試合3ゴール」の目標を口にしてきた。だが独走制覇は俄然他チームに研究対策を促し、連勝を重ねる割には僅差の戦いが続いた。そして夏場には、三笘薫と田中碧が揃って欧州へ移籍。予想はできていたことだろうが、二枚看板の売り時が一致してしまった。 今年の34試合時点での途中経過は平均2.09ゴールに止まっている。
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