「関係をより確固に」 日韓首脳会談、北朝鮮とロシアの協力に懸念
石破茂首相は16日(日本時間17日)、訪問先のペルーの首都リマで、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と50分間会談した。北朝鮮とロシアの軍事協力の一層の進展に対する深刻な懸念を共有し、日韓、日韓米で緊密に連携することを確認した。 両首脳の会談は10月10日に続き2回目。首相は会談冒頭、「これほど短期間に会えて光栄だ。これが日韓関係の本来あるべき姿だ」と言及。2025年が日韓国交正常化60年の節目にあたることに触れつつ「日韓関係をさらに確固たるものにしたい」と述べた。 尹氏は、北朝鮮によるロシアへの兵士派遣など、露朝の軍事協力に言及し、「域内および世界の情勢が緊迫化している。韓日の緊密な連携がいつにも増して重要になっている」と強調した。 会談では、両首脳のもとで日韓関係をさらに強化していくことで一致し、政治・安全保障、経済、文化、社会保障などで包括的に関係を進めていくことを確認した。北朝鮮による日本人拉致問題について、尹氏は改めて日本の立場を支持した。 首相は会談後、記者団に「来年が日韓の国交正常化60周年であり、これから首脳会談の頻度をさらに上げていきたい」と両首脳が双方を行き来するシャトル外交への意欲を示した。北朝鮮の動向も踏まえ「安全保障については相当に突っ込んだ話し合いができた」とも語った。 日韓関係は、岸田文雄前首相と尹氏との間で、劇的に改善した。こうした経緯を踏まえ、首相は「岸田首相と尹大統領との間で築かれた関係をさらに発展させたい」と強調した。【リマ村尾哲】