<下野紘×佐藤拓也>「デリコズ・ナーサリー」対談 「全く先が見えない」魅力 緊張と困惑の収録秘話
--メインキャラクターの4人のうち、ダリとゲルハルトはこれまでのシリーズにも登場しているキャラクターですが、下野さん、佐藤さんが演じるエンリケとディーノは、「デリコズ・ナーサリー」で新たに登場したキャラクターです。
佐藤さん これまで長く愛されてきた「TRUMPシリーズ」をご覧になられてきた方々にも、新しいキャラクターとして、長い歴史の中の一瞬に「こういう人たちがいたのだ」と初めて認識してもらえる人物を演じることができるという意味では、すごく光栄でした。収録前に資料として、「TRUMPシリーズ」の用語や年表をまとめたものをいただいたのですが、あまりにも長く壮大で、これを補完して収録に臨むのはちょっと現実的ではないなと。初めて「TRUMPシリーズ」に登場する人物であればこそ、乱暴な言い方かもしれませんが、何も知らないまま臨めたというのは、素直な表現ができるという意味では良かったのかなと思っています。
下野さん そうですね。1万年以上の歴史が描かれている作品なので。
佐藤さん 収録が終わって、共演者の皆さんとお話しして、年表を見直した時に改めて「うちの子は、この年表のどこにいるんだ」みたいな。妙な親心が生まれました(笑い)。
--演じるキャラクターの印象は?
下野さん エンリケは、4人の中で一番貴族っぽくないというか。フランクな性格で、二人の娘に対しても積極的に世話をしているわけではないけれど、関係性はそんなに悪くないのかなと。ただ、彼には彼なりに考えていることがあって、ただ単に良いパパというわけでもなさそうな雰囲気がある。フランクで人当たりがいいように見えて、違った一面も持っているのかなと。
佐藤さん ディーノに関しては、第1話の収録でスタッフサイドに「空気を読まないでください」「人の話を聞いているようで聞いてないが、自分の思ったことは言うずうずうしさを持っていてほしい」と言われたんです。ゲルハルトは「貴族としてこうあるべき」というものがある人ですが、ディーノも融通が効かずにカタブツで保守的な人で、貴族である自分のプライドがあるけど、人としての温かさや他人の感情みたいなものには無頓着で。故に今までいろいろな奥さんに逃げられ続けてきたので、「誰も自分についてこられないのだから」という達観の仕方は、頑固もそこまでいけば大したものだなと第三者的には思いました。