163キロ右腕ロッテ佐々木は1軍C抜擢もヤクルト奥川、中日石川、阪神西は2軍スタート。新人の育成方法の正解は?
春季キャンプインを数日後に控え、各チームの1、2軍のメンバー振り分けが見えてきた。23日には巨人、ロッテが発表。4球団競合の末、ドラフト1位でロッテに入団した注目の163キロ右腕、佐々木朗希(大船渡)は1軍キャンプスタートとなった。 佐々木など、12球団のドラフト1位指名選手のうち1軍キャンプスタートが決定しているのは広島の森下暢仁投手(明大)、西武の宮川哲投手(東芝)、楽天の小深田大翔内野手(大阪ガス)の4人。ソフトバンクの佐藤直樹外野手(JR西日本)も1軍抜擢が有力のようだが、それでも5人だ。 ドラ1に高卒ルーキーが7人揃ったことも手伝って右肘炎症が発覚したヤクルトの奥川恭伸投手(星稜)、巨人の堀田賢慎投手(青森山田)、中日の石川昂弥内野手(東邦)は2軍スタートが決定。阪神の西純矢投手(創志学園)、横浜DeNAの森敬斗内野手(桐蔭学園)、オリックスの左腕、宮城大弥投手(興南)らも2軍スタートが濃厚となっている。高卒1年目から2桁勝利を挙げる怪物ルーキーは、松坂大輔(当時西武)、田中将大(当時楽天)、藤浪晋太郎(阪神)以来出ていない。新人の育成方法の正解とは果たして?
高卒ドラ1の6人は2軍キャンプスタート濃厚
キャンプインを前に各球団はコーチ会議や編成会議を開き、次々と1、2軍の振り分けメンバーを発表している。高卒ルーキーの1軍抜擢のニュースは、なかなか出てこなかったが、ロッテは超大型新人の佐々木の1軍キャンプスタートを決めた。 佐々木が自主トレ段階で新人離れしたポテンシャルを披露していることに加え、沖縄・石垣島のロッテ春季キャンプは、1、2軍が同じ敷地内で行われるという構造も1軍抜擢を後押ししたのだろう。 ブルペンや室内練習場、サブグラウンドも1、2軍共有。他球団とは違う環境にあるだけに井口監督の決断も難しくなかったのかもしれない。昨年もドラフト1位の藤原恭大外野手を高卒ながら1軍キャンプスタートさせている。 だが、高卒組のドラ1の他の6人はいずれも2軍キャンプスタートが濃厚。ドラフト上位の高卒で1軍組に抜擢されたのは佐々木以外には、楽天の2位の黒川史陽内野手(智弁和歌山)くらいである。無理はさせず、まずは、プロに耐えうる体力作り、実戦から離れたブランクを埋めることに主眼が置かれている。 当初、巨人、阪神と争ってクジを引き当てた奥川に関して、ヤクルトの高津新監督は、高校生でありながら即戦力と判断して1軍キャンプからスタートさせる考えだったようだ。しかし、右肘の炎症が発覚して、自主トレの段階でノースロー調整となり、その計画も頓挫した。最下位に終わったヤクルトは先発が駒不足。奥川はいずれ出てくるだろうが、首脳陣にはうまくいけば開幕からローテーに食い込んで欲しいという期待があっただけに手痛いアクシデントとなった。 一方、即戦力としてドラフト上位指名された社会人、大卒組は、日ハムを除いて、ほとんどが1軍キャンプスタート。広島は1位の森下、2位の宇草孔基外野手(法大)、5位の石原貴規捕手(天理大)の3人を1軍抜擢、西武も1位の宮川、2位の浜屋将太投手(三菱日立パワーシステムズ)の社会人投手2人と5位の柘植世那捕手(HONDA鈴鹿)の3人の社会人をA班へ。また楽天も1位の小深田ら4人の新人を1軍キャンプメンバーに加えた。 果たして新人のキャンプスタートは1軍か、2軍か、どちらが正解なのだろうか。元千葉ロッテの評論家、里崎智也氏は、こんな意見を持つ。