163キロ右腕ロッテ佐々木は1軍C抜擢もヤクルト奥川、中日石川、阪神西は2軍スタート。新人の育成方法の正解は?
里崎氏は、慎重な流れは、高校野球の球数制限の流れやSNSの影響も考えられるという。 「昔は、新人がケガをすれば、自分の責任、体が弱いなあ、で通っていたが、今は、SNSで、いろんな情報が発信され、潰した球団の責任、球団が悪い、という流れになっている。当然、球団側も慎重にならざるをえないですよね。高校野球では、ここ数年、球数論争が盛んになっていますし、実際、実行に移されています。無理させてはいけないという風潮がプロでも強くなっているのでしょう。佐々木は球数と肩への負担を考えて監督が岩手大会の決勝で投げさせなかったりU18のW杯でも血マメで長いイニングを投げれなかったりしました。おそらくロッテの首脳陣は佐々木を1軍抜擢したものの1軍のペースで開幕に合わせる気はなく慎重に進めるでしょう。ロッテの1軍メンバーは途中、沖縄本島に移動するので、そこで佐々木は2軍がキャンプを続ける石垣島に居残るパターンになるのではないでしょうか」 ロッテの1軍メンバーは13日で石垣島での1次キャンプを終えて沖縄本島に移動するが、そこで佐々木は2軍メンバーに移動するのではないか、というのが里崎氏の予想だ。 「高卒ルーキーで2桁を勝ったのは、ここ20年で松坂、マー君、藤浪の3人だけです。そもそもそれだけ難しいことなんです。高卒ルーキーが2年先、3年先を見据えて、じっくりとファームからスタートするのは当然と言えば当然。松坂、マー君クラスの選手が入ってくれば話は違ってくるのでしょうが」 佐々木のポテンシャルは大谷、藤浪クラスだろうが、「タフさ」「頑丈さ」という点では未知数だし、高校時代の感覚を取り戻すには時間がかかる。奥川の実力は「マー君クラス」と評判だったが、アクシデントによるスタートの出遅れは想定外だっただろう。 「新人は戦力として計算外。またドラフトの成否は、10年後に生き残っているかどうかで決まる」というのが、里崎氏の持論。プロ野球は開幕がすべてではないし、1年目の活躍がすべてでもない。ファンもメディアも長い目でルーキーの動向を見守る必要があるのかもしれない。