広島・林 飛躍の秋だ「今までにないいい感覚にある」3試合連続安打
覚醒の予感だ。広島は宮崎・日南秋季キャンプ第1クール最終日の7日、前日に続き2度目となる紅白戦(5回制)を実施した。高卒6年目の林晃汰内野手(23)が白組の「4番・左翼」で先発出場し、4回に右中間へ適時二塁打を放って存在感を示した。これで5日の侍ジャパンとの練習試合から3試合連続安打。出場機会を増やすため外野に本格挑戦している若鯉について、新井貴浩監督(47)も「いいバランスでスイングできている」と高評価した。 林が持ち味とする打撃で成長を示した。0―1の4回2死一塁。益田の直球を捉えた打球は、右中間への適時二塁打となった。今キャンプの実戦3試合目で自身初の長打。試合後は、充実感を漂わせながら振り返った。 「いい感じで打てた。今、取り組んでいることが形として出てくれているので、継続できるようにしたい」 来季にかける思いが結果に表れている。今季は27試合出場、打率・183、0本塁打、2打点。長距離砲として期待されながら、6年目も1軍定着はならなかった。7年目を迎える来季こそ殻を破るべく、今秋は打撃フォーム改造に着手。10月の秋季練習から、新井監督に下半身主導とスイング軌道の助言を受けつつ、試行錯誤を続ける。加えてタイミングの取り方も見直しを図り、左半身の力をコントロールしながら球を捉えるポイントにズレが生じないことを心がけてきた。 「今までは変化球に泳がされて打たされたなとか、真っすぐに差されて凡打になったというのが多かった。今は打つポイントが、引き込めるというか、(ポイントが)前ではなくて、後ろになってきていて、今までにないいい感覚にある」 5日の侍ジャパンとの練習試合では7回に清水(中日)から右前打。前日6日の紅白戦でも左腕・森から左前打を放った。この日の一打を含め、チームで唯一3試合連続安打を記録。新井監督も、その成長に目を細めた。 「秋季練習から取り組んでいることが、形として出ているし、内容もいい。いいバランスでスイングできている。今やっていることをしっかりやっていけば、おのずと長打は出てくる」 出場の幅を広げるため、今秋から外野にも本格挑戦。この日の紅白戦も、本職の三塁ではなく、左翼で先発出場し、途中から中堅、右翼にも回った。「自分は打たないと試合に出られない。いい形、いいバランスで振れば大丈夫と思ってやりたい」と林。新境地を開拓し、飛躍への道を切り開く。 (長谷川 凡記)