電動アシストをイジる「爆速魔改造チャリ」は違反! そもそも自転車にスピード違反ってあるの?
自転車の最高速度はない!?
街なかを走行する自転車の速度は、自転車運転者によって異なります。では、法律上の最高速度はどのように定義されているのでしょうか。警視庁が公表している自転車の基本的なルールには次のように記載されています。 ◆最高速度 ・自転車は政令で定める最高速度(いわゆる法定速度)はありません ※ただし、道路標識等により最高速度が指定されている道路では、その最高速度を超える速度で進行してはなりません ※歩道を通行する場合は徐行しなければなりません ※歩道の普通自転車通行指定部分を通行中に歩行者がいない場合は、すぐに徐行に移ることができる速度で進行する必要があります 標識や標示がある道路では、クルマと同じように標識や標示で指定されている速度まで出すことができます。一方、標識や標示がない場所では、最高速度が定められていません。いい換えると、標識や表示がない道路では何キロで走行してもよいということになります。 ただし、歩道では、すぐに止まれる速度(徐行)で通行しなければなりません。そのため、通行する場所によって適切な速度で走行しなければならないということになります。 このように、自転車の最高速度についてある程度のルールが定められているものの、自転車に速度を客観的に確認できる速度計が装備されていないケースが多いため、走行速度は自転車運転者に委ねられているのが実情です。 なお、サイクルコンピュータ(サイコン)を取り付ければ速度などを確認できますが、標準装備されているわけではないため、速度計を取り付けるかどうかは自転車の利用者次第となっています。
電動アシスト自転車はアシスト範囲に上限がある
電動アシスト自転車では、24km/hまでしか出せないと聞くことがありますが、この24km/hという速度は「アシスト範囲」の速度です。 警視庁が公表している電動アシスト自転車の基準は次のとおりとなっています。 【駆動補助機付自転車の基準】 ◆アシスト範囲 ・24km/h以上のときはアシストされないこと ◆アシスト比率(人の力に対する電動モーターが補う力の比率) ・10km/h未満の時:最大で1対2 ・10km/h以上24km/h未満のとき:速度が上がるとアシスト比率が減少など そのため、電動アシスト自転車でも自力で漕いで24km/h以上の速度を出すことは問題ありません。しかし、24km/hを超える速度までアシストできるように改造するのは違法改造となります。 全(フル)電動自転車ともいわれる「モペット」は、自転車ではなく原動機付自転車(バイク)に分類される乗り物です。よって、モペットに乗る場合は、免許証、ナンバーの取得、ヘルメットの着用が必要となります。そのため、購入時は自転車に分類される乗り物なのか、バイクに分類される乗り物なのかしっかり確認しましょう。
定められている基準やアシスト範囲を超える自転車は違法となる
自転車は、車両に関する基準が緩いイメージがある方もいるかと思いますが、じつはさまざまな基準やルールが定められています。そのため、基準に適合していない車両やルールを無視した改造をしている自転車は違法となります。 違法改造車両やルールを無視した運転などをすると、事故を起こしたときの被害が大きくなるだけでなく、運転者自身が大怪我をしてしまう可能性も高くなります。 自転車を安全に走らせるためにも、基準に適合しているか確認し、ルールに従った運転をしましょう。
齊藤優太