政府、2027年春入社の採用活動 「オヤカク」防止を追加 日程などは現行ルールを維持
政府は、2026年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程について、現行ルールを維持することを決めた。採用選考活動はこれまで通り、前の年の6月以降となる。その上で、内定辞退を防止するために学生に就職活動の終了を求める「オワハラ」に、保護者の同意を強要する「親確(オヤカク)」の防止を新たに追加した。これらのルールを、来年3月末をめどに経済団体などに対して要請を行う方針だ。 このほど開催した「就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議」で、27年春に入社する現在大学2年生ら学生の「採用・就職活動日程に関する考え方」を取りまとめた。 日程については現行通り、企業説明会などの開始は前の年の3月1日以降、面接など採用選考活動の開始は6月1日以降、正式な内定日は10月1日以降を原則とすることとした。 春休み以降に企業が実施する開催期間が2週間以上の「専門活用型インターンシップ」を通じて高い専門的知識や能力を有すると判断された学生についても、引き続き3月から行われる広報活動の周知期間を短縮して「6月より前のタイミングから採用選考プロセスに移行できる」こととする。 学生の職業選択自由の確保を目的としたオワハラ防止の徹底も、これまで通り企業に要請していく。 その上で、27年春入社からは、オワハラの類型にオヤカクを新たに追加した。オヤカクは「内定辞退の防止を目的として、内定を承諾することについて、保護者の同意を強要すること」と定義。近年、企業が内(々)定を出した学生の保護者に企業情報を提供するなど、入社に関する保護者の不安解消に取り組む企業が増えているが、内定を承諾することに保護者の同意を強要するといった事例もあるため、オヤカクを追加した。 三原じゅん子こども政策担当相は閣議後会見で「学生が安心して就活に取り組める環境づくりが重要だ。オワハラは内定を承諾することに保護者の同意を強要する行為いわゆるオヤカクの一部を含め、学生の職業選択の自由を妨げる行為で、防止の徹底をお願いしたい」と述べた。 経済団体や学生を対象とした調査結果によると、「就活ルールが必要」との回答は約7~8割にのぼった。一方、24年度末の卒業・修了予定者の就職・採用活動は、採用面接を受けたピーク時期を「1~2月」とする回答割合が、23年度の13.1%から16.7%に上昇するなど、早期化の動きが見られたという。また、外資系企業の内々定は、国内企業と比べて早い傾向にある。