ヒップホップ×グラフィティ×テクノロジー:アーティストKool Koorの世界
当時のグラフィティシーンは?
──クール氏が魅了された当時のグラフィティシーンはどのようなものだったのでしょうか? 当時、ヒップホップは私の周りに溢れていました。DJたちは私の建物の前や近くの多くの地域の公園でプレイしていました。グラフィティは至る所にあり、ブレイクダンスも盛り上がっていました。ほとんどみんながMC、グラフィティライター、DJ、またはブレイクダンサーでした。私たちはすべてをやっていました! 私は特にカリグラフィックなスタイルのグラフィティとペインティングをマスターすることに熱中していました。これが私の天職だと感じていたのです。ヒップホップ・ムーブメントに積極的に参加し、全体が発展していくのを見るのは、本当に刺激的でした。 ──1970年代と1980年代にクール氏が最も影響を受けた人物はどなたですか? 私はカール・セーガン*やアイザック・アシモフ*のような科学者たちが宇宙の驚異を教えてくれたこと、建築家バックミンスター・フラー*がメガストラクチャーや未来の居住空間についての私の考えを広げてくれたこと、ビジュアルアーティストのフランク・ステラ*らが大規模なアートワークが博物館だけでなく日常の場所にもその場所があることを見せてくれたこと、ジャクソン・ポロック*がアートを創造する際には自由であるべきだと教えてくれたことに感謝しています。 ※カール・セーガン (Carl Sagan) :天文学者であり、「コスモス」シリーズで科学を大衆に広めた人物 ※ アイザック・アシモフ (Isaac Asimov):「ファウンデーション」シリーズや「ロボット」シリーズで知られるSF作家 ※ バックミンスター・フラー (Buckminster Fuller):ジオデシックドームの発明者であり、持続可能な建築とデザインに貢献した建築家 ※フランク・ステラ (Frank Stella):ミニマリズムと抽象表現主義で米国を代表するアーティスト ※ ジャクソン・ポロック (Jackson Pollock):アクション・ペインティングで知られる抽象表現主義の画家