AI + 暗号資産=トラブルか?
ワールドコインをめぐる懸念
ワールドコインのビジネスモデルも同様にわかりにくい。ワールドコインは「国や経歴に関係なく、グローバル経済への普遍的なアクセスを提供し、AI時代にすべての人が利益を得られる場所を確立することを目指す」と述べている。 この高尚な目標をどのように達成しようとしているのか? もちろん、ディストピア的な球体デバイスですべての人の虹彩をスキャンすることによってだ。その目的は、人々がオンラインで自分の身元を確認できるようにすることとされている(例えば、オンライン投票やデジタルシステムを通じて特定の政府給付金を請求する場合など)。 しかし、同社は明らかなプライバシー上の懸念をめぐって規制上の大きな逆風に直面しており、直近では、インド、フランス、ブラジルから撤退することとなった。 投資家たちは、ワールドコインが、その共同創業者が誕生に貢献したAI時代において、私たちの「デジタル人格」を守る会社になると本当に信じているのだろうか? そして、Fetchと同様、なぜトークンが必要なのだろうか? 複数のコメンテーターは、ワールドコインが暗号資産でおなじみの、取引初期に後援者たちが価格を吊り上げ、インサイダーや洗練されたトレーダーがすぐに退場、その後、価格が下落し、他のほとんどの人が損失を被るという「パンプ・アンド・ダンプ」のパターンになる可能性があると指摘している。 7月の取引開始数日で、WLDは1.91ドルから2.72ドルに急騰。その後、9月には1.01ドルまで下落した。当記事執筆時点では、史上最高値の7.64ドルを記録している。 FETも史上最高値を更新した。11月の約1.06ドルから、現在は1.77ドルとなっている。
責任は買い手に
私はトレーダーではないが、この価格が持続可能かどうかについては疑問がある。ただし、価格の上昇と下落は必ずしもパンプ・アンド・ダンプのサインではない。 とはいえ、投資家は創業者サム・アルトマン(Sam Altman)氏自身の言葉を考慮した方がいいだろう。同氏はワールドコインについて語ったときに「どんな新しいシステムでも、初期には何らかの詐欺に直面するだろう」と述べている。ワールドコインの場合も他の暗号資産AIプロジェクトと同様、買い手がリスクを負うことになる。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Shutterstock|原文:AI+Crypto: Trouble
CoinDesk Japan 編集部