「シャバに出る気はありません」…「ルフィ事件」実行役リーダーが判決翌日、面会で語った言葉 それでも「無期懲役」判決に控訴した理由とは
面会での言葉
その永田は、なぜ控訴の道を選んだのか。 10月23日の被告人質問において永田被告は「被害者に一生謝罪します」と明言していた。「加害者にできることは何もない。でも謝罪をして気持ちが少しでも楽になる人がいるのなら、信じて謝罪をするしかない。僕は、遺族に直接謝罪文を出す行為自体ができないので、まず代理人に出して、そこから始めていこうと思っています」と具体的にその流れも語っている。 そして「社会には出ません」と社会復帰を考えていないことを語った上で「立川で確定して受刑者になるより、東京拘置所に行った方が、行ける刑務所が増える。自分の行きたい地域がある。その可能性があがるなら……」とも述べていた。「もし直接謝って欲しいと被害者の方に言われた時、面会しやすい距離にしようと思っている」という事情から、移送を希望する地域があり、なるべくそこで受刑生活を送りたいという希望があるようだ。そのためにどのような判決を受けても控訴することはあらかじめ明言していた。そして、のちに控訴を取り下げるつもりであることも明言していた。 「刑に不服はありません。まだ出てないけど。僕はもう、とんでもないことをして被害者の方々の未来を奪った。そんな僕が社会に出ていいのか。刑罰を受けるために刑務所に一生いた方がいい。シャバに出る気はないです。控訴は移送のためだけです」(10月23日公判被告人質問での証言) 実際に無期懲役が言い渡された直後に永田被告は控訴している。そして翌日、立川拘置所での筆者との面会取材においても「僕はどんな刑を受けても、償う気持ちや行動に変わりはありません」と語った。 控訴審で永田被告はどのような言葉を残すのか。こちらも注目される。 高橋ユキ(たかはし・ゆき) ノンフィクションライター。福岡県出身。2006年『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』でデビュー。裁判傍聴を中心に事件記事を執筆。著書に『木嶋佳苗劇場』(共著)、『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』、『逃げるが勝ち 脱走犯たちの告白』など。 デイリー新潮編集部
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