【22歳の編集部員がA110RGTに同乗試乗】ラリージャパンに出場したプロが駆る本物のラリー・アルピーヌを体感!
ラリーで名を馳せたアルピーヌ
僕の中でアルピーヌと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、初代A110のラリーでの活躍。旧いクルマへの造詣が深い人たちなら共感していただけるだろうか。 【写真】ラリージャパンに参戦したアルピーヌA110RGT (14枚) 鉄鋼スペースフレームを覆う、小柄ながらも美しくまとめられたFRP製の軽量なボディ。そのリアエンドに搭載されるのは、チューニングが施されているものの、大衆車に用いられるありふれたエンジン。軽快なフットワークと高いトラクションを活かして、1973年に行われた世界ラリー選手権(WRC)での初代マニュファクチャラーチャンピオンを獲得。アルピーヌの名前が伝説になった瞬間だ。 その後、アルピーヌは活躍のステージをサーキットへと移すのだが、やはりその名を聞くとついラリーのイメージが先行してしまう。 そんなアルピーヌが、新型A110をベースとするR-GTの規格ラリーカーを携えカムバックしてきたのだから、注目しないわけがない。新型A110はエンジン搭載方式がRRからMRに改められたものの、軽量コンパクトなボディに大衆車ベースのエンジンをチューンして搭載するところは同じ。高(好)バランスがもたらすドライバビリティの良さからクルマ好きのハートを掴んでいるところも、概ね継承しているだろう。 伝説から50年以上が経った現代において、アルピーヌは果たしてもう一度ラリーで名を馳せることができるのだろうか。
体が縮みそうなフルハーネス
そんな時、A110RGTが2024年11月21日より開催されるラリージャパンに参戦、しかもそのクルマに同乗できるというお話をいただき、勇んで愛知へ飛んだ。 まずは今回、貴重なシェイクダウンの時間をメディアへ向けた同乗試乗へと割いて下さったシャゼル・チーム、そしてルノー・ジャポンに心より感謝を申し上げたい。 集合場所である愛知県豊田市の鞍ケ池公園の駐車場へと向かうと、そこは臨時のサービスセンターになっており、各チームのパドックテントで埋め尽くされていた。 試乗とはいえ、ラリーカーのナビシートに座るのだから、シャゼル・チームのレーシングスーツに着替えてヘルメットやハンスなど諸々の装備をつける。張り巡らされたロールケージを這うようにしてクルマ乗り込むと、笑顔のチームスタッフに6点式のフルハーネスを体が縮みそうなほど絞められた。「あ、なるほどね」とその瞬間にようやく事態を察した。