「地元住民に欠かせない施設」 中丹勤福会館の存続求め市長らに要望書 府は廃止方針
存廃が検討されている京都府福知山市昭和新町の京都府立中丹勤労者福祉会館について、地元の昭和学区自治会長会の西村勝会長ら3人がこのほど、福知山市役所などを訪れ、「中丹勤労者福祉会館の存続を求める要望書」を提出した。 市役所には西村会長(77)、大西勝己副会長(72)、昭和地区福祉推進協議会の竹下均会長(74)が訪れ、大橋一夫市長が対応。西村会長は「昭和学区は大きな会場があまりなく、(中丹会館は)来年度の予約が取れない状況で、自治会活動や市民の文化活動に不安があるので、府との協議のなかで存続をお願いしてほしい」とし、大橋市長に、昭和学区の各種団体など7団体の代表者連名の要望書を手渡した。 大西副会長が、中丹会館の存続を府に意見表明すること、存続の方法を府と協議すること、拙速な廃止はやめるよう府に申し入れることの3点の要望事項について説明。これに対し、府との協議を控えている大橋市長は「利用者の利便性が低下しないよう、配慮や対応をお願いしたい」と応じた。 このあと3人は篠尾新町の府中丹広域振興局福知山総合庁舎にも出向き、西脇隆俊知事宛ての要望書を松原武司副局長に提出した。 同自治会長会は9月15日に中丹会館で敬老の日を祝う会を主催したばかり。西村会長は「昭和学区の各種団体が総会や会合などで年間何度も利用していていて、地元住民には欠かせない施設。昭和学区以外の市民もたくさん使われていることから、市民の代表として要望しました」と話していた。
府は年度末で廃止方針
中丹会館を巡っては、府が2021年8月、「府立勤労者福祉会館あり方検討委員会」を立ち上げ、府内5カ所の勤労者福祉会館について存廃を検討してきた。同委員会は今年8月、最終報告書として中丹、城南、丹後会館は「勤労者福祉会館としての当初の目的(勤労者の福祉向上)は達成した」と結論付け、会館機能停止後の施設管理・跡地活用については、市町譲渡・施設廃止も含め、地元市町との協議を経て府で適切に対応するよう求めた。 その後、府は9月26日の府議会農商工労働常任委員会で、「あり方検討委員会の報告書を踏まえ、府としての対応を検討した結果、中丹、城南、丹後会館は現在の指定管理期間が終了する令和7年3月31日をもって廃止する」との対応方針を報告した。 廃止に伴う所要の条例改正を行うため、12月定例会の同常任委に「府立勤労者福祉会館条例」の一部改正案の骨子案を報告し、来年2月定例会に条例改正案を上程する予定。