「梅田は『マル』がないと収まらん!」新生・大阪マルビル、名物・電光掲示板も復活へ…2030年誕生
大和ハウス工業は19日、JR大阪駅南側のシンボルとして親しまれた「大阪マルビル」の建て替え計画の概要を公表した。 【画像】大阪マルビル、いまむかし… 外観は“マル”を意識して、特徴的な円筒形を継承する。 初代マルビルは、2023年3月31日に閉館、同年9月までに解体工事を終えた。 大阪・関西万博の会場・夢洲に向かうバスターミナルとして跡地を活用し、その後、2030年の開業を目指して新しいビルが建設される。 「大阪マルビル」は、大阪の超高層ビルの先駆けとして1976(昭和51)年4月に誕生し、当時は大阪・梅田のどこからでも姿を見ることができる周辺で唯一の円筒型高層ビルだった。 屋上にはビルを一周する回転式の電光掲示板「コンピュートサイン」(当時は全国初)があり、ニュースや天気予報などの情報を発信。その円筒形のユニークな形状から梅田のランドマークとして長らく親しまれてきた。 大和ハウスが、従来のマルビルを進化させるために取り組む「(仮称)大阪マルビル建替プロジェクト」では、ホテル(ラグジュアリーと都市型の2種類)や商業施設、オフィスに加えて展望スペースやコンサートホール(約1200席を予定)といった文化交流機能を備え、単なる建て替えにとどまらず、新たなランドマークを目指す。 “都市再生のシンボルツリー”として、大樹のような円筒型のフォルムで、窓ではなく高層ビルのために開発されたガラスの壁「ガラスカーテンウォール」を使用する。 外装には大樹の枝葉をイメージして、植物が巻き付く緑化ルーバーを設置。地上には、木陰を感じることができる半屋外の屋根下空間ピロティを設置する。 このピロティにつながるのが“球体デジタルアトリウム”。地下2階~地上4階にわたる巨大な球体が登場、LEDディスプレイの投影映像は迫力があり、没入感を体験できる。 また、開業時から屋上に設置されていた「回る電光掲示板」も継承する方針で、新たなデザインで、JR大阪駅ホームから眺めることができるようにするという。 このほか、地震など災害時の帰宅困難者を受け入れるスペースや、非常発電機(72時間電力供給可能)を設ける構想も明かした。 建て替え後のビルは、高さ約192m、地下4階、地上40階(マルビルは124m、地下4階、地上30階)。延べ床面積は約7万4000㎡で、ビルとしての容積は約2倍となる。 大和ハウス工業の芳井敬一社長は19日の会見で、「ここに『マル』がないと梅田がおさまらない」と話した。 芳井社長は続けて、「多くの方にとって、大阪マルビルがどういう役割を果たしてきたか、新しいビルの背が高くなるのは、『成長したから』だと思ってほしい。(2023年3月の)閉館時には多くの方が来てくださった。『マル』から創造し、これまでの『マル』への思いを失わないようにしたい」と話した。
ラジオ関西