年齢構成でみるJリーグの今
表2-2~2-5にはポジションごとの年齢構成をまとめた。その中で他と明らかに違うのがGKで、年齢構成と活躍する選手の年齢層で差異が見られる。まず年齢構成では、楢崎(39)、山岸(37)のように高年齢でも第一線で活躍している選手が多い。
その影響からか、各チームの今季レギュラーGK陣を見ても高年齢選手がほとんどで、平均年齢は28.3歳と高め(表2-6)。
その専門性から経験値が重要視され、1度レギュラーに定着すると、長期間にわたってスタメンとして出場することが多いポジションだけに、J最年少の20歳で正GKの座を確保した福岡・中村航の将来性は非常に楽しみなものである。
また、各ポジションで30代後半の選手が現役で活躍している一方でFWに関しては、そうはいかないようだ。他のポジションが30代を機にゆるやかに選手数が減少していくのに対し、FWだけ1年ごとにガクッと落ち込んでいる。
前線からの守備が求められる現代サッカーにおいてFWの守備は必要不可欠。そんな中、48歳でも現役を続けられるカズの凄さが再確認できる年齢構成分布図となっている。
■主審と副審の役割の違い
最後に表3に2015年Jリーグ担当審判の年齢構成をまとめた。今年は55名が主審に、78名が副審として登録されており、それぞれに構成比率の特徴が出ている。主審では30代が圧倒的に多く、残りを40代が占めているのに対し、副審では30代と40代の割合が半分ずつとその比率が若干異なっている。 主審には「主」という字が、副審には「副」という字がつくことで、主審をできる人のみ副審を担当できる、と連想する人も多いのではないだろうか。しかし実際は、それぞれ役割が違うため、Jリーグの審判になれる1級審判を取得する過程で自分自身の適性に合わせ主審か副審を選ぶこととなる。 主審がピッチ全域を走り回る心肺機能や、試合をマネジメントする能力が要求されるのに対し、副審はボールアウト、ゴールなどを正確に判断する能力、選手と同じ速度で走る脚力が必要とされる。体力的に持久力のいる主審と、瞬発力を必要とする副審。そういった能力の違いが年齢構成に若干の影響を及ぼしているのではないだろうか。 (株)日刊編集センター