闇バイト強盗から「実家の安全」どう守る? 一戸建てもマンションも“油断しがち”意外な危険ポイントとは
今年8月頃から「闇バイト」による強盗事件が頻発し、住民が殺傷されるケースも相次いでいる。 【2年連続増】侵入強盗にともなう「強盗殺人・致死」「強盗傷人」「強盗・不同意性交等」 指示役がいまだ検挙されておらず不安が残る中、年末年始の帰省のタイミングで、実家の防犯について気になっている人も少なくないのではないだろうか。
オートロック付きマンションでも「安心」してはいけない
警察庁の防犯サイト「住まいる防犯110番」によれば、2023年の「侵入強盗」の認知件数は414件で、前年比+42.8%と大幅に増加。侵入強盗にともなう身体犯(侵入強盗のうち、強盗殺人・致死、強盗傷人、強盗・不同意性交等)は133件(前年比+33%)で、2年連続の増加となった。 侵入強盗のうち、住宅を狙ったものは全体の36.7%。内訳は、一戸建て住宅が20%、共同住宅は16.7%(3階建て以下8.7%、4階建て以上8%)だった。いずれも、もっとも多い侵入手口は「無締まり」(カギの閉め忘れ)となっている。 「うちはオートロックのマンションだから安全」だと思う人もいるかもしれないが、防犯とセキュリティ対策のプロフェッショナルであるALSOKの担当者は次のように注意喚起する。 「エントランスにオートロック扉があるからと油断して、ゴミ捨てや短時間の買い物などのときに玄関の扉を施錠しない住人が狙われています。『見られているかもしれない』という意識を常に持って施錠を徹底することが大事です」 実際に、2024年1月には東京都新宿区で、3月には北海道札幌市で、オートロック機能のあるマンションに侵入した強盗犯が、住人から現金や腕時計を奪って逃走する事件が発生。新宿区の事件では宅配業者を装い、札幌市の事件では住人に続いて侵入したとみられている。
実家の防犯対策、優先すべきポイントは?
前出の警察庁サイトによると、カギの閉め忘れのほか、「ガラス破り」「合いカギ」による被害も多く発生しているという。また侵入口としては、一戸建て住宅が窓、共同住宅は階数に問わず表出入口(玄関)が最多となっている。 これらを踏まえると、まずは施錠の徹底、窓や玄関の防犯を強化することが、対策の基本となりそうだ。 では帰省の限られた時間の中、実家の防犯を両親や祖父母と考えるにあたって、具体的にどのようなことを話し合えばよいのだろうか。ALSOKの担当者は、優先すべき6つのポイントをあげる。 1.戸締まりの徹底。ゴミ出しの短時間でも玄関や窓の戸締まりを忘れない 2.玄関や窓のカギは、補助錠を取りつけるなど「ワンドア・ツーロック」にする 3.「ガラス破り」が多いことから、防犯フィルムを貼って割れにくくする 4.家の周り(庭・ベランダなど)をきれいにし、見通しをよくする 5.防犯カメラやセンサーライトを設置する 6. 異常発生時に警備会社へ通報できるホームセキュリティを導入する このほか、「日頃から近所の人と交流を図り、家に異変があったときにすぐ気づいて教えてもらえるような関係性をつくっておくと安心」だそうだ。 家族や親戚が集まる年末年始は、防犯を見直すよい機会といえるだろう。上記のアドバイスをもとに、有意義な対策を練ってほしい。
弁護士JP編集部