阪神D1位・伊原陵人、「18」を左のエース背番に! 松坂、マー君、由伸ら右のエースずらり…イメージ変える
阪神は9日、大阪市内のホテルで新人9選手の入団発表会を行った。ドラフト1位・伊原陵人投手(24)=NTT西日本=はエースナンバーの背番号「18」に決定。球界を代表する歴代のエースは右投手が多いが、最速149キロ左腕は「右も左も両方のイメージになれば」と新しいエース像を築くことを誓った。 初めてタテジマに袖を通し、大きく広がる球団旗の前に現れた。背中で輝く数字は「18」―。D1位・伊原は重みのある番号を背負い、プロ野球の世界に飛び込む。 「18番はプロ野球界でもエースナンバーといわれる番号。とにかくこの番号に恥じないように、一生懸命なプレーができたら、と思います」 制球力と球の切れを持ち味に高評価を受け、晴れて虎のドライチとなった。背番号は球団から複数の候補を提示されたが「僕はこの番号がいいです」と、自ら選んだ。寄せられる期待は膨れ、付きまとうプレッシャーも相当なもの。ただ、そんなことは百も承知で、「プレッシャーに感じずに。これだけいい番号をつけさせていただけるということは光栄なことなので」と、意気にすら感じて戦っていく覚悟だ。 エース街道を歩むことができれば、その数字のイメージを変えることもできる。球界の背番号「18」は歴代、山本由伸(ドジャース)、菅野智之(巨人)、松坂大輔(元西武)、田中将大(楽天から自由契約)ら右投手が多く思い浮かぶが、左投手となるとなかなか出てこない。球団左腕でも井崎勤也以来、67年ぶり2人目という珍しさだ。 伊原がその「18=右腕」というイメージを変える。「宮城投手(オリックス)とかも(来季から)背番号18に変わっていたり、左投手も徐々につけている番号。右も左も、両方のイメージになれば」。エースナンバー左腕の代表格となる未来も切り開いていくつもりだ。 18番経験者の藤川新監督も「即戦力で、1年目から活躍してもらいたいと強く、強く願っています」と期待十分。伊原がそのルーキーイヤーに掲げる目標の一つが新人王だ。将来的には「日本代表ももちろん目標にしていかないといけない」と明かしたが、新人王級の結果を残せば、2026年に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のメンバー入りも夢ではない。当然、「活躍することでそういうところに近づくのは間違いない。そこは大事」と頭の片隅に置き、スタートラインに立つ。 「『18番といえば伊原だ』といわれるようになりたい思いもある。まずは阪神のエースとなれるように頑張りたい」
重圧もその手でなぎ払う。無数に浮かぶ夢の実現に向けたプロ野球人生の時計は、いまゆっくりと動き始めた。(須藤佳裕)