「夫のちょっとした行動が許せない」→「まさか離婚話にまでなるなんて」…「結婚20年」に隠れた《熟年離婚》のワナ
コロナ禍以降、生活スタイルの変化に伴って夫婦の時間が増えた結果、熟年離婚が相次いでいる。離婚の原因を紐解いてみると、夫婦関係のほんのささいな不満に根ざしていることも少なくない。 【漫画】「しすぎたらバカになるぞ…」母の再婚相手から性的虐待を受けた女性 本連載では、離婚カウンセラーとしてこれまで約4万件もの離婚相談を受けてきた著者の新刊『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』(岡野あつこ著)より一部抜粋・再編集して、夫婦関係におけるトラブル回避のためのノウハウをお届けする。 身近な人間関係に対するコミュニケーション技術は夫婦間の問題のみならず、職場や家庭、子どもや介護にまつわる悩みの解決にも役立つはずだ。 『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』 連載第1回
「結婚して20年」というタイミング
はじめまして。離婚カウンセラーの岡野あつこと申します。都内で離婚相談室を運営しているほか、全国各地で離婚カウンセラーの育成も行っています。 次にあげるのは、私が実際に離婚相談を受けた事例です。「夫のちょっとした行動が許せない」という相談ですが、妻のほうではこれを理由に離婚を考えているとのことでした。 この夫婦はどうすればよかったでしょうか。みなさんも少しだけ考えてみてください。 相談者は40代の女性、パートで働いている主婦で、40代の夫と10代の娘との3人暮らし。結婚したのは約20年前とのこと。 ちなみに、この「結婚して20年」というタイミングは、実は夫婦関係が危機を迎えやすいタイミングです。子育てが一段落すると、夫婦関係のほころびに目がいきやすいのです。
夫の行動が嫌でたまらない
そんな難しい時期に、コロナが流行しました。「ソーシャルディスタンス」が叫ばれ、外出自粛が求められ、リモートワークやリモート授業が普及しました。 夫の会社でもリモートワークが導入され、家で仕事をすることになりました。 夫には自分の部屋があるので、日中は自室にこもり、仕事をしていました。一方、相談者である妻は日中は家事をしていて、だいたいリビングかキッチンにいます。 妻が家事をしている間、夫は自分の部屋からしょっちゅう出てきて、リビングでダラダラしたり、キッチンに来てジュースやお菓子を取っていくそうです。 それも、たまに休憩に来るという程度ではなく、15分に一度と、かなりの頻度だそうです。しかも、夫はキッチンやリビングにやって来るたびに、「もうこんな仕事は辞めたい」とか「うちの会社なんて潰れてしまえばいいのに」など、ネガティブなことを言ってくる。 相談者はそんな夫の行動が嫌でたまらないと言います。