【高校サッカー選手権】”タイガー軍団”の両2年生SBが躍動 前橋育英、4連覇達成
第103回全国高校サッカー選手権群馬予選決勝(11月9日・アースケア敷島サッカー・ラグビー場)で、前橋育英が初優勝を目指した共愛学園との延長戦を3-0で制し、4年連続27度目の頂点に立った。 【フォトギャラリー】共愛学園 vs 前橋育英 桐生第一との準決勝に続いて決勝も「3-0」だった。スコアだけ見れば快勝だが、2試合とも勝利を手にするまでかなり苦労した。 準決勝は前半に6度のビッグチャンスをつくりながら1点しか奪えなかったとあり、百戦錬磨の山田耕介監督は「ああいう流れというのはカウンターから失点し、リズムを悪くすることがあるものですから」と安どの表情を浮かべた。 決勝の前半にしても、多くの時間帯で相手陣営に攻め込んでゴールを襲った。FW佐藤耕太(3年)の2本をはじめ、MF白井誠也とSB竹ノ谷優駕(ともに2年)の一撃など、決まる可能性の高いシュートが4度あったが、またしてもゴールを割れなかった。「前半に1、2点入っていれば楽な展開になったのだが……」と指揮官は、準決勝と同じように前半の苦戦を口にする。 さらに前橋商との初戦の準々決勝も、延長後半に決勝点を挙げ、4-3で勝利する持久戦だった。高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2024 EASTで上位につける強豪といえども、集大成の選手権予選は別もののようで勝ち上がるのは容易ではない。 決勝の後半も前橋育英が、ボールを握りペースも握ったが、とうとう得点できずにタイムアップの笛が鳴った。それだけ共愛学園が、主将のCB阿久津祐樹(3年)を軸にした粘り強く忠実な守備対応を継続したからだ。GK佐藤明珠(3年)の好守も光った。 延長に入ると前橋育英が地力を発揮する。右SB瀧口眞大(2年)に続き、目下プレミアリーグEAST得点王のオノノジュ慶吏(3年)が前半に得点し、後半にもFW大岡航未(2年)が3点目を蹴り込んで決着をつけた。 共愛学園には令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)群馬予選準決勝でPK戦負けしている。ボランチ石井陽(3年)は「あの時、全国大会に出るのが当たり前でないことを痛感した。今日の勝負もそう簡単ではないと思っていたので、勝ててホッとしています。うれしい」と伝統の背番号14を着用する主将は、雪辱を遂げた喜びに浸る。 2回戦で敗退した昨年度の全国高校選手権は1、2年生が6人先発する陣容だった。この日の決勝も2年生が6人先発に名を連ねている。 山田監督は「今の3年生も去年は伸びしろがあったが、現2年生も同じように伸びしろがあるし、1年生もいいですよ」と説明し、決勝点を挙げた瀧口について「良くなってきましたね、左(サイドバック)もいい」と竹ノ谷の名を挙げ、両2年生のSBの成長が頼もしげだ。