【高校サッカー選手権】”タイガー軍団”の両2年生SBが躍動 前橋育英、4連覇達成
延長は失点しないことだけを考えてプレーしたという瀧口だが、「1.5列目にスペースがあったので、佐藤さんにパスを当てれば返ってくると思いました。決められてホッとしています」と守備に重心を置きながらも、この時ばかりはチャンスと思って攻め上がる判断をした。これが実を結び、4連覇への確かな進軍ラッパとなったのだ。 左の竹ノ谷は本来ボランチが専門職だが、左SBが故障したことで監督から指名されたという。中断前のプレミアリーグ、10月13日の青森山田戦と次の大宮アルディージャ戦で初めてSBを担当し、選手権予選を迎えたそうだ。 「立ち上がりから調子良く攻め上がっていたのですが、前半20分くらいに右足首をひねってしまい、攻撃参加をあきらめて守りとビルドアップに専念しました。復帰して間もないのに優勝できて本当に幸せです」 竹ノ谷は昨年7月にひざを故障したことで、応援団長を買って出た。長いリハビリを経てこの6月に復帰し、共愛学園との総体予選準決勝には延長から出場し、PK戦のキッカーも任された。「けがをした悔しさ、インターハイに出られなかった悲しみもあったけど、優勝できたことでリハビリの頑張りも報われました。全国選手権は優勝旗を取り戻したい」と意気軒昂に話した。 “タイガー軍団”の両2年生SBの持ち味は、精度の高いキック力と鋭いクロスだ。全国の舞台でこれでもか、というほど良質の最終パスを放り込み、「クロスで決まったよ」と得点者に感謝される活躍ができそうな予感がする。 (文・写真=河野正)