【40歳から始める老化脳を防ぐ習慣】脳は何歳になっても成長!90歳でも新しい脳細胞は作られる
40代50代になり、もう自分の脳は下り坂一方と思ったら、大間違い!? 2019年のスペインの研究では、90歳でも脳の神経細胞が新生されることがわかったとか。またハーバード大の研究では40代以降にピークを迎える能力がわかってきたそうだ。大人の脳に期待大。脳科学者の西剛志さんに詳しく聞いた。
“脳のピーク年齢”50代以降で伸びる能力がある
脳が持つさまざまな能力は、そのピーク年齢が異なる。 「ハーバード大学などの研究によると、情報処理、名前や顔を覚えるといった短期記憶は若い頃がピークですが、年齢を重ねても伸びる脳があります。相手の気持ちを読む力は48歳、語彙力のピークはなんと67歳です。言語力は最も遺伝に依存せず、後天的な環境で伸びる能力です。実際に語彙が豊富な人は認知機能の低下が起きにくいという研究結果もあります」(西さん) ●脳の機能のピーク年齢 ・18歳…………情報処理能力 ・22歳…………人の名前を覚える力 ・32歳…………顔を覚える力 ・43歳…………集中力 ・48歳…………相手の気持ちを読む力 ・67歳…………語彙力 相手の気持ちを読む力や語彙力はOurAge世代になっても伸びる脳。脳はまだまだ成長する。それをしっかり生かしたい。
年齢とともに幸せホルモン「オキシトシン」の分泌は増える!
最近、食べたいものが思い浮かばない…ということはないだろうか? 「実は年齢とともに減りやすい“欲”と、減りにくい“欲”があります。食欲や性欲などの生理的欲求は減ります。それは、やる気を生み出すドーパミンという脳内ホルモンが年齢とともに減るから。一方、幸せに関する欲は増えます。それは幸せホルモンとも呼ばれるオキシトシンが増えるからです。すると、人とつながりたいという欲求が強くなります。実際に、夫婦仲がよいと脳が元気になり、仲のよい人が一人いるだけでも認知機能も幸福度も上がることがわかっています」
中高年にしかない「レスト遺伝子」とは?
「寿命や老化をコントロールする長寿遺伝子の中に、『レスト遺伝子』というものが発見されました。これは脳の過剰な活性を抑えることで、体全体の活動を緩やかにして、脳や体への負担を減らす役割を果たす、いわば自己防衛能力です。私はこれを『休め遺伝子』と呼んでいます。2019年に発表されたハーバード大学の研究で、100歳以上の人の脳には、70~80歳で亡くなった人よりもこのレスト遺伝子が多く発現していました。脳を使わないのも問題ですが、働かせすぎるのもそれがストレスになり、老化を早める可能性があるのです」