【阪神大賞典】3000m以上からの転戦で乗り替わりの馬は不振 データで導く「過信禁物の注目馬」
1番人気が順当に結果を残す
3月17日に阪神競馬場で阪神大賞典(GⅡ)が行われる。天皇賞(春)に向けた重要な前哨戦であり、今年もGⅠを見据える好メンバーが揃った印象だ。 【阪神大賞典2024 推奨馬】複勝率100%データを持つ長距離界最強馬! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 過去10年の傾向を見ると1番人気馬が【6-1-1-2】(複勝率80.0%)で、別定GⅡらしく実力上位の馬が順当に好走している。馬券的な妙味を考えれば特に上位人気の馬は慎重に取捨選択を行い、買い目を絞って勝負したい。今回は過去10年(14~23年)における当レースのデータを基に「過信禁物の注目馬」を導いていく。
ベテラン勢には苦しいデータ
年齢データを見ると、4~6歳の馬が【10-10-10-49】勝率12.7%、連対率25.3%、複勝率38.0%と素晴らしい成績を収めている。過去10年で馬券に絡んだ馬の全てがこの組に含まれている。 これに対して7歳以上の馬は【0-0-0-33】複勝率0.0%と全く好走できていない。長距離レースはスピードが問われない分、年齢を重ねた馬の活躍が多い印象を受けるが、当レースでは通用していない。 また各馬のキャリアでは、20戦以内の馬が【9-8-9-29】勝率16.4%、連対率30.9%、複勝率47.3%と好成績だ。一方、キャリア21戦以上の馬は【1-2-1-53】勝率1.8%、連対率5.3%、複勝率7.0%と振るっていない。 18年にキャリア27戦の7歳馬アルバートが2番人気で4着と期待を裏切る結果となった。当馬はステイヤーズS3連覇の実績を有した生粋の長距離砲であったが、当レースで馬券に絡むことはできなかった。 年齢とキャリア、2つの切り口からベテラン勢には厳しい傾向が伺える。7歳以上あるいはキャリア21戦以上の馬は、過去の実績に目をつぶってでも軽視すべきだ。
長距離レースからの転戦馬は騎手に注意
前走距離のデータを見ると、2600m以下のレースを使っていた馬が【10-8-7-53】勝率12.8%、連対率23.1%、複勝率32.1%と良好だ。これに対して、3000m以上のレースからの転戦馬は【0-2-3-29】勝率0.0%、連対率5.9%、複勝率14.7%と苦戦している。 基本的に特殊な適性が問われる長距離路線は、層が厚い中距離路線と比べてメンバーレベルが落ちる。GⅠを見据えて当レースへ挑んできた中距離路線の馬に、生粋のステイヤーたちが屈していることがデータから読み取れる。 また、この組からは5頭が好走を果たしているが、この内の4頭は鞍上が前走から替わっていなかった。継続騎乗だった馬は【0-2-2-5】勝率0.0%、連対率22.2%、複勝率44.4%と好成績だが、前走から乗り替わりがあった馬は【0-0-1-24】連対率0.0%、複勝率4.0%とほとんどが凡走している。 3000mの長丁場をリズム良く走るには馬と騎手とのコンタクトが重要だ。長距離路線の馬のレベルが一枚落ちるなら、その能力を最大限発揮して好走するには継続騎乗がベスト。データを見ても複勝率が極端に低いことから乗り替わりは歓迎材料ではない。