ティグアンやQ3とも遜色なし! 日産キャシュカイ(旧デュアリス)へ試乗 家族層へ確かに「響く」
セグメントリーダーとしてのアップデート
日産キャシュカイは、グレートブリテン島北東部のサンダーランド工場で生産され、英国では前例ないほどの成功を築いてきた。2022年には最も売れたクルマに輝き、2023年もフォード・プーマへ僅差で次ぐ2位を掴んでいる。 【写真】家族層へ確かに「響く」 日産キャシュカイ(旧デュアリス) 日本ブランドの競合モデルと比較 (129枚) 2006年に登場した初代は、ゲームチェンジャーといえるインパクトがあった。この1台が、日産の欧州事業を救ったも同然だった。現在のクロスオーバー人気を生み出す、先駆けの1台にもなった。 3代目は2021年に発売されたが、人気再燃を狙いアップデートが施された。「セグメントリーダーとしてのポジション強化」を同社は主張し、要所へ手が加えられている。 基礎骨格は、ルノー・日産・三菱アライアンスによるCMF-Cプラットフォーム。サスペンションは、前輪駆動ではリアがトーションビーム式だが、四輪駆動ではマルチリンク式になる。 設定されるパワートレインは、4気筒マイルド・ハイブリッドと、3気筒フル・ハイブリッドのe-パワーという2択。最高出力で見ると、前者が140psか157ps、後者が189psの3段階になる。 マイルド・ハイブリッドは控えめな内容で、システム電圧は12V。アシスト量は0.5kg-mと小さく、トルクを補うというより、滑らかな発進加速を得るために働くと考えていい。トランスミッションは、6速マニュアルが標準。CVTがオプションで用意される。 e-パワーは1.5Lエンジンが発電し、189psの駆動用モーターがキャシュカイを動かすシステム。実用性の高いガソリンエンジンと、バッテリーEVのような滑らかさを両立させている。
上質感が漂うインテリア グーグルの技術を採用
アップデートで、フロントマスクは一新。アグレッシブでシャープな顔つきになった。ヘッドライトも新しく、日産によると、日本の甲冑へ影響を受けたデザインだそうだ。ボディサイズは変わらず、全長4425mm、全幅1838mm、全高1635mmとなる。 インテリアの製造品質は高い。アルカンターラでダッシュボードやドアパネル、センターコンソールなどが覆われ、上質感が漂う。ただし、シートは合成皮革で包まれ、グローブボックスの化粧トリムも高級というわけではない。 今回のアップデートで注力されたのが、インフォテインメント・システム。タッチモニターの応答性は早くなり、メニューの操作性も良く、グラフィックも綺麗になった。グーグル社の技術を実装し、同社のマップと音声アシスタントを利用できる。 エアコンには実際に押せるハードボタンが残り、温度調整などは簡単。スマートフォンのワイヤレス充電パッドや、USB-Cポート、小物入れなども充実している。 駐車時に役立つ、クルマを俯瞰して見れるアラウンドビュー・モニター機能も備わる。インビジブルフード・ビュー・モードでは、フロントタイヤ直後からの視線で周囲を確認できる。 フロントシートは座り心地が良く、調整域が広く、腰回りや横方向のサポート性に優れる。フラットなボンネットで、前方の視界も良好だ。リアシートは、大人にも充分な広さ。広々というわけではないが、このクラスの平均といっていい。荷室容量は479Lだ。