万博や合併だけじゃない 2025年の鉄道は何が起こる? 今までの“当たり前”が変わる「昭和100年」
新駅開業と増発で万博輸送に対応
2025年は「昭和100年」にあたる年です。現代的な鉄道サービスの原型は、昭和初期から日本の発展・拡大とともに形作られました。本格的な人口減少社会を迎える中、これからの100年は日本にとって、鉄道にとって全く新しい時代になるでしょう。 【ARで演出】これが「JR WEST Parade Train」の斬新車内です(画像) 今年の大きなトピックスといえば、4月13日から10月13日まで、大阪湾の埋立地夢洲で開催される「大阪・関西万博」です。会場のメインアクセス路線となる大阪メトロ中央線は、1月19日にコスモスクエア~夢洲間3.2kmを延伸開業、あわせて平日に上下16本を増発します。 中央線では3月中旬から7月の平日、森ノ宮~夢洲間に弁天町のみ停車の「子ども専用列車」、長田~夢洲間に各駅停車の「子ども優先車両」を設定し、森ノ宮発9時30分頃から5分間隔の一般列車の合間に優先列車と専用列車を交互に運転します。 もう一つのアクセスルートであるJR西日本ゆめ咲線でも、1985(昭和60)年「つくば万博」以来となる「エキスポライナー」の名称で、新大阪~桜島間の直通列車が運行されます。新大阪発上り列車は7時32分から19時39分まで計14本、桜島発下り列車は11時15分から22時15分まで計12本の運行です。 エキスポライナーは、大阪環状線で用いられる323系の両先頭車に全面LEDパネルを設置し、AR(拡張現実)で車内空間を演出する「JR WEST Parade Train」が用いられます。前売り券の販売不振が伝えられる万博ですが、10月の閉幕時にはどのようになっているでしょうか。 鉄道サービスに目を向けると今年の春は、大小さまざまな「当たり前」が変化します。3月15日のダイヤ改正では、JR中央線快速への2階建てグリーン車2両の増結が完了し、普通列車グリーン車サービスが開始します。 また、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」は2003年以降、1~3号車が自由席でしたが、指定席需要の高まりを受けて3号車を指定席に変更します。JR東海は何度でも予約変更可能なネット予約&チケットレスサービス「スマートEX」を拡大中ですが、フレキシブルな自由席利用をどの程度代替できるのか注目です。