【独自】ブランドバッグに続き選挙介入疑惑も「規定なし」…大統領夫人は聖域か
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領夫人のキム・ゴンヒ女史の「与党の候補公認介入疑惑」が膨らむ中、中央選挙管理委員会(選管委)が「大統領夫人の行為については、公職選挙法に特に規定がない」との立場を明らかにしたことが確認された。 国会行政安全委員会に所属する野党「共に民主党」のユン・ゴニョン議員が30日に公開した国政監査資料によると、選管委は「大統領夫人が選挙の過程で出馬予定者に別の選挙区からの出馬を勧めたり促したりすることは、公職選挙法に抵触するか」というユン議員の書面による問い合わせに、「その事案に関して、大統領夫人および立候補予定者の行為については、公職選挙法上、特に規定されていない」と回答した。 キム女史が4月の総選挙で、与党「国民の力」の候補公認に介入したという疑惑が持たれているにもかかわらず、選挙法には調査や処罰の規定がないと述べたのだ。キム女史が慶尚南道の昌原義昌(チャンウォン・ウィチャン)選挙区選出のキム・ヨンソン前議員に、金海(キムヘ)選挙区へと移ることを提案したとの疑惑が先に提起されたのに続き、インターネットメディア「ソウルの声」が「イ・チョルギュ議員がキム・ゴンヒ女史を代弁して候補公認に介入している」という趣旨のキム・デナム元大統領室先任行政官の音声記録を報道している。 選管委はまた、キム女史の選挙介入疑惑にかかわったイ・チョルギュ議員とキム・デナム元秘書官に対する調査の意向を問うユン・ゴニョン議員室に、「個人情報の同意が得られていないため、明らかにできない」と口頭で回答した。 選管委のこのような回答は、先に国民権益委員会がキム女史のブランドバッグ受け取り事件について「請託禁止法に処罰規定がない」と述べたことと相通じており、選挙介入疑惑も選挙法に大統領の配偶者の行為に関する規定がないとの理由で似たような「最終結論」が下されることが憂慮される。検察はブランドバッグ受け取り事件について、請託禁止法に公職者の配偶者の処罰規定がないことを理由に、不起訴とする方針を固めている。 選管委のキム・ヨンビン事務総長は9月6日の国会予算決算特別委員会の全体会議で、「大統領夫人の候補公認への介入は正当か」と野党「祖国革新党」のチャ・ギュグン議員に問われ、「その行為自体があったかどうかを調査しなければならず、そのような事実があったとしても(対話した人々の)関係によって公認に介入したのか検討する余地はある」とし、関連疑惑を調べるとの趣旨の回答をおこなっている。 ユン・ゴニョン議員は、「選挙介入疑惑は第2のブランドバッグ事件なのか」として、「選管委は重要関係者を呼んで事実関係の調査もしないうちから、キム女史の選挙介入疑惑の方向性をあらかじめ決めていたのではないかと疑われる」と述べた。 オム・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )