血糖値の調節にも役立つマグネシウム、摂取するべきベストなタイミング
・グリシン酸マグネシウム メイヨークリニックによると、マグネシウムとグリシンと呼ばれるアミノ酸の組み合わせからできているグリシン酸マグネシウム。一般的にリラクゼーション、睡眠、気分の向上のために市販されているけれど、人間に対する効果は研究で証明されていない。とはいえ、就寝前に服用しても害はなく、毎日摂取しても大丈夫です、とコーディングさんは語る。 ・クエン酸マグネシウム 吸収力が非常に高いマグネシウムの一種で、たまに起こる便秘の治療に用いられることが多い。コーディングさんによると、このマグネシウムはいつでも服用できるそう。NIHの健康情報サイト「メッドライン・プラス」では、通常は服用後30分~6時間以内に排便が起こるとしている。
毎日どのくらいのマグネシウムが必要?
マグネシウムの一日当たりの推奨摂取量(RDI)は、性別や妊娠中または授乳中などの要因によって異なる。とはいえ、成人女性は一日310~320mg、成人男性は400~420mgのマグネシウムを摂取することが推奨されている。 ※「日本人の食事摂取基準」(2020年版)では、18歳以上の女性の推奨摂取量は310~320mg、18歳以上の男性は340~370mg。
マグネシウムサプリを摂取すべき人とは?
誰にとってもマグネシウムは必要だけど、胃腸の疾患や甲状腺機能亢進症のような一部の基礎疾患をもつ人は、サプリによる効果を受けられる可能性が高い。それでもほとんどの場合、マグネシウムが豊富な食品の摂取を心掛けるのがベストだ。 「まず食べ物から栄養素を摂取するようアドバイスしています」と話すのは、『ザ・リトルブック・オブ・ゲームチェンジャーズ』の著者で登録栄養士の資格をもつジェシカ・コーディングさん。かぼちゃの種、チアシード、ほうれん草、ピーナッツ、枝豆など、マグネシウムが豊富な食品を食事に追加すると必要量を満たすことができます、と彼女はアドバイス。
起こりうる薬の相互作用
コーエンさんは、マグネシウムサプリの服用を始める前に必ず医師に相談し、服用中の薬や健康状態に影響がないかを確認するよう勧めている。NIHによる、マグネシウムサプリと相互作用の可能性がある薬剤は以下の通り。 ・ビスホスホネート マグネシウムとビスホスホネートは少なくとも2時間離して服用するのがベスト。 ・一部の抗生物質 テトラサイクリン、シプロフロキサシン、レボフロキサシンはすべてマグネシウムと相互作用する恐れがある。これらの薬は、マグネシウムサプリを摂取する少なくとも2時間前、または摂取後4~6時間経ってから服用する必要がある。 ・利尿薬 フロセミドやブメタニドなどのループ利尿薬、さらにヒドロクロロチアジドやエタクリン酸などのチアジド系利尿薬は、マグネシウム欠乏症の原因となる可能性がある。アミロライドやスピロノラクトンなどのカリウム保持性利尿薬は、体から排泄されるマグネシウムの量を減らす。 ・プロトンポンプ阻害薬 エソメプラゾールマグネシウムやランソプラゾールなどの処方プロトンポンプ阻害薬を長期間服用すると、マグネシウム欠乏症を引き起こす恐れがある。 とはいえ、ほとんどの人は「一日の摂取量が450mg未満であれば、比較的大丈夫な場合が多いです」とコーエンさん。「ただし、糖尿病、心臓病、腎臓病の人は、マグネシウムサプリの服用を始める前に、必ず医師に相談しましょう」