「やっと出せたけど…強すぎる!」格闘ゲーム「隠しキャラ」初登場時の絶大インパクト
■強すぎて試合では御法度!? 『スーパーストリートファイターIIX』豪鬼
日本を代表する格闘ゲームといえば、カプコンから発売されている『ストリートファイター』シリーズを語らないわけにはいかない。 なかでも1994年にアーケード版が稼働した『スーパーストリートファイターIIX』では、とある“隠しキャラ”がその圧倒的強さでファンたちを騒然とさせることとなる。それが、謎多き格闘家・豪鬼だ。 赤い髪に浅黒い肌、黒い胴着が特徴の豪鬼だが、ベガステージまでに「残りタイムの合計が1500以下」、「スコアが120万以上」、「対人戦で12連勝以上した後、勝利メッセージ表示中にいずれかの攻撃ボタンを2秒以上押す」のいずれかを達成すると、姿を現す。 それも、最終ステージとなるベガとのバトルが始まる直前、なんとラスボスであるはずのベガを見えない連撃で倒し、その代わりにプレイヤーに立ちはだかるのだ。 満を持して登場する豪鬼だが、その性能は凶悪の一言に尽きる。モーションや技こそリュウやケンに似ているものの、出が早くダウン性能のある飛び道具や、高威力かつ多段ヒットの必殺技を有しており、作中随一の高火力で容赦なくプレイヤーに襲い掛かってくる。 当時プレイしていた筆者もなんとか彼と出会うことこそできたものの、その性能の前に手も足も出ず、かすり傷を負わせた程度であえなく敗北してしまうことに……。 ちなみにこの豪鬼は隠しコマンドによって使用することもできるのだが、あまりにも高性能であったため、当時の大会などでも使用禁止となるなど、数々の逸話を残したキャラクターでもある。 のちのシリーズではレギュラーキャラクターとして登場し、今やすっかりおなじみの存在となった豪鬼。そのデビューは、まさに強烈だったのだ。
■理不尽なまでの戦闘力はまさに映画さながら…『ドラゴンボールZ 超武闘伝2』ブロリー
1993年に発売されたスーファミ用ソフト『ドラゴンボールZ 超武闘伝2』はご存じ、鳥山明さんの人気バトル漫画『ドラゴンボール』を原作とした格闘ゲームだ。そんな本作にも、原作さながらの暴れっぷりを見せた“隠しキャラ”が登場する。 そもそも本作では、主人公・孫悟空が隠しキャラになっているなど斬新な試みが取り入れられているのだが、そんな悟空を上回る高性能ぶりを見せつけたのが、もう一人の隠しキャラ・ブロリーだ。 劇場版アニメに登場したサイヤ人のブロリーは、その凄まじい戦闘能力と凶悪な立ち振る舞いの数々でファンを震え上がらせたキャラクターだ。 そんな彼と戦うためには、難易度を“きびしい”にした状態で孫悟飯を使い、「修行の相手を悟空にして勝つ」、「セル戦で2度目は負ける」などの条件を満たし、ボージャックを撃破すると対戦可能となる。 とはいえ、ブロリーは攻撃力、防御力といった基礎ステータスはもちろん、攻撃の速度や技の破壊力も圧倒的だ。しかも投げや一部の技は受け身が取れないというとんでもない仕様となっており、原作の戦士たち同様の絶望を味わったプレイヤーも少なくないだろう。 かくいう筆者も、そんなプレイヤーの一人だ。映画で見たままの彼と戦えることにテンションが上がったのも束の間、清々しいまでの完敗を喫してしまった。一方的にやられる展開まで、映画同様になるとは思わなかった……。 ちなみにこのブロリーだが、ゲームのオープニングで隠しコマンドを入力することで使用可能となる。コマンド入力の際に響き渡る「カカロット……」という重々しいセリフが不気味なのだが、連続でこのセリフを言わせようとして友人同士で「何回、入力させられるか」と競い合ったのが懐かしい。今となっては良い思い出だ。 さまざまな格闘ゲームに登場する「隠しキャラクター」たちだが、どのキャラも満を持して登場するだけに、その性能は実に圧倒的だった。登場させる条件を満たすことすら一筋縄ではいかず、そのうえで彼らを撃破するとなると並々ならぬ実力が必要なのだ。 ある意味、ゲームをやり込んだ熟練者たちに立ちはだかる最後の“壁”といえるのかもしれない。
創也慎介