谷川浩司十七世名人「高槻の地で名勝負を」 大阪の新関西将棋会館でテープカット
大阪府高槻市に12月3日に移転オープンする新関西将棋会館で17日、開館記念式典が開かれた。 【写真】新関西将棋会館の特別対局室でこけら落とし対局を行う日本将棋連盟会長の羽生善治九段と谷川浩司十七世名人 現会館(大阪市福島区)の老朽化に伴い、JR高槻駅近くに新築された。式典では日本将棋連盟の羽生善治会長(54)や藤井聡太七冠(22)=棋聖・竜王・名人・王位・王座・棋王・王将=らがテープカットし、谷川浩司十七世名人(62)は「私自身、新しい会館での対局が楽しみであり、後輩棋士たちが高槻の地で名勝負を繰り広げてくれることを期待したい」と挨拶した。 式典後には祝賀会も行われ、産経新聞社主催のタイトル戦「棋聖戦」特別協賛のヒューリックの西浦三郎会長らが出席、完成を祝った。 ■羽生善治会長「地元への還元に努力」 「将棋の日」である17日に開館記念式典が行われた新関西将棋会館(大阪府高槻市)。将棋連盟会長の羽生善治九段(54)、藤井聡太七冠(22)ら一線の棋士たちは西日本における新拠点をアピールするとともに、将棋文化の振興を通じたまちづくりを進める高槻市への「還元」を誓った。 式典後、新会館の5階に設けられた特別対局室では、谷川浩司十七世名人(62)と羽生九段による、こけら落としの記念対局が行われた。窓越しに屋上庭園の緑が映える真新しい畳の対局室に、2人が指す駒音が響いた。 新会館は延べ約1960平方メートルの5階建て。外壁は将棋盤のマス目をイメージした意匠で、「内なる庭」と名付けた中庭がある。1階に将棋道場、2階に椅子席の対局室や多目的ルーム、3階に事務室や棋士室があり、4、5階に対局室を設置。12月3日にオープン後は、オフィシャルショップの営業が始まる。 現会館(大阪市福島区)の老朽化に伴う高槻市への移転は、「将棋のまち」づくりを進める同市の誘致が実った。この日行われた祝賀会で挨拶した羽生九段は、「日本将棋連盟の創立100周年の節目の年に、新会館が完成したことをうれしく思う」とした上で、「地元にいい形で還元できるように努力を続けたい」と述べた。 最寄りのJR高槻駅では「きた西口」の新愛称「将棋会館口」のお披露目式も行われた。出席した藤井七冠は、「駅の利用者に新たな関西将棋会館の存在を身近なものに感じてもらえると期待している。将棋のまち高槻の象徴として、長く愛される場所となるよう活動していきたい」と述べた。(横山由紀子)