ロシア兵の見事な「必殺技」…襲い掛かる自爆ドローンに「決死のサッカー技」で勝利する映像に驚嘆の声
<ロシア軍が支配地域の拡大を狙って攻勢を強めていたウクライナ東部ハルキウ州で、人間vsドローンの驚くべき戦いの様子が撮影された>
ウクライナへの侵攻を開始して以来、ロシア軍の兵士たちを悩ませ続けているドローンの脅威。そうしたなか、前線でドローンによる自爆攻撃を受けた1人のロシア兵の動画が注目を集めている。塹壕のような逃げ場のない場所に追い詰められたこの兵士は、なんと向かってきたドローンに決死の「頭突き」を食らわせ、結果的に無事に逃げおおせたのだ。 【動画】ロシア兵の見事な「必殺技」…襲い掛かる自爆ドローンに「決死のサッカー技」で勝利する映像に驚嘆の声 動画は、ロシアの複数のテレグラムチャンネルによって共有された。そのうちの1つで、ウクライナ戦争に関する最新情報を投稿している「SHOT」によると、動画が撮影されたのは、ウクライナ北東部ハルキウ州だという。ロシア軍は5月10日、同州に攻勢を開始し、多くの村を制圧して、住民数千人が避難を強いられた。 動画には、1人のロシア兵が自分を標的に飛来したウクライナのドローンを、「頭を一撃」で破壊する様子が映っていると同チャンネルは伝えた。 「ドローンは兵士の近くを旋回し、今まさに決定的な一撃を与えようとしていた。兵士は背筋を伸ばし、サッカー選手のようにドローンにヘディングを食らわせた。兵士は頭部を失わずに済んだ。ドローンは爆発した」 ■国内からは「ロシアにはまだ英雄がいる!」と称賛の声 ロシアの軍事特派員のエフゲニー・リシツィンは、自身のテレグラムチャンネルでこの動画を共有し、「信じられない映像だ」と述べた。 「敵のFPV(一人称視点)ドローンが兵士のところまで飛んできて、彼の背の高さでホバリングした後、攻撃をした」とリシツインは記している。「ドローンは攻撃してきたが、ロシア兵が頭突きを食らわせ、爆発が起きた。その後、兵士は冷静に自分のすべきことをした」 ロシア人ジャーナリストのアレクサンドル・コッツは、この映像を「驚異的」と評した。 「ロシアにはまだ英雄がいる!」とコッツは述べた。「敵のFPVドローンは、あざけるようにゆっくりと兵士に近づき、攻撃する前に人の背の高さでホバリングしている。兵士はボクシングのリング上にいるかのように構え、ドローンが攻撃してくると、兵士は前方に突進してドローンに頭突きをした。そして爆発が起きた。煙が晴れると、私たちの英雄は落ち着いて森の中に入っていった」 コッツはさらにこう主張した。「神は我々の味方であることは間違いない」 本誌はこの映像が撮影された時期と場所を独自に検証できていない。 ■国境地帯ではロシアによる誘導爆弾攻撃が激減 ハルキウ州のオレフ・シネグボフ知事は8月12日、「ここ数日は誘導爆弾による攻撃は激減している」とテレビ番組で語った。「国境地帯では、誘導爆弾攻撃が日に30~60件あったとすれば、今は10件もない」 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は6月8日、ロシアの攻撃は失敗したと述べた。「非常に重要な結果は、ロシア軍が失敗したことだ。方向性は強化され、一層強化されるだろう」とゼレンスキーは述べ、ロシア軍は東部ドネツク州に焦点を移すとの見方を示した。 「東部戦線全体が困難な状況にある。ロシアがハルキウ州の制圧に失敗し、もはやその制圧は実現不可能であると我々は認識しており、主な目標はシフトした」 ゼレンスキーは以前、ハルキウ州の戦闘におけるロシアの損害はウクライナの8倍に上ったと述べている。本誌はこの主張を独自に検証できていない。
イザベル・ファン・ブリューゲン