“黒いビーチ”やトレイルコースも! カジノもいいけどマカオは「八景」 を巡る旅が意外と楽しい
「砂は黒いけど…」マカオのビーチ、どこがおすすめ?
ホテル内で「マカオのビーチ、どこへ行こうかな?」と話していたところ、それを小耳にはさんだ地元で教員をしているという女性が「ビーチは黒くてもいい?」と声をかけてくれました。「砂は黒いけど、きれいなところよ」と。 ということで、コロアン島の南東に位置するハクサビーチ(黑沙海灘)へ。 マカオには鉄道はなく、タクシーも行きはいいけれど、帰りはつかまえられるかわからない。そこで、市民の足である路線バスを利用することに。 ホテルスタッフに乗り場を案内してもらい、ザ ロンドナー マカオ前から路線バス「21A」に乗車(他にもいくつか路線があります)。ハクサビーチへ乗り換えなしで直行できます。 巨大テーマパークのようなコタイストリップを抜けて、団地や商店の前を走ると、やがて小高い山の木々の間から海が見えてきました。ハクサビーチまでの30分間のバス移動は、国際的な観光地から、ローカルの暮らし、自然へと、いくつもの顔をもつマカオを体験できます。 到着したハクサビーチは、イルカの像がシンボル。ちょっとしたバスターミナルがあり、露店のようなお店も数軒あります。 大きな弧を描くビーチは長さ1300~1500メートルほど。トイレやシャワー施設が用意され、シーズン時には等間隔でライフガードもスタンバイしています。 訪れたのは、遊泳期間最後の10月31日。夏の最後の日を惜しむように、訪れていた地元っ子らしき人々は岸壁に座って海を眺めたり、日傘を手に波打ち際を歩いたり。泳ぐというより、海辺の時間を楽しんでいるもよう。 ハクサビーチは想像したよりも黒くはありませんでした。というのも、近年、浜辺の浸食が進み、保護するために政府が黄色い砂を運び入れて、色が中和しているのだとか……。
パワースポットのトレイルコースも楽しい
ハクサビーチの右手、南へ進むと、高級別荘エリアへ。海岸線をチャイニーズバニヤン(ガジュマル)の並木道が縁取り、白亜の豪邸が軒を連ねています。 さらに進むと、黑沙龍爪角(ハクサロンチャオコック)海岸トレイルへ。巨岩と海が織りなす景色が「マカオ八景」にも選ばれた、海沿いの風光明媚なハイキングコースです。パワースポットでもあるので、ぜひ。 ところで、今回は香港からマカオへのアクセスは陸路で。2018年に開通した世界一の長さを誇る海上橋、港珠澳大橋を利用しました。 途中、海底トンネルをくぐったりもしますが、遠くにビル群を眺めながらひたすら海原の上をすべるように疾走するのは、気分爽快。しかも、渋滞知らず。 香港からのフェリーや日本からの飛行機に加え、新たに海上の大橋をゆくアトラクティブな選択肢が増えました。香港の旅にプラス1泊してマカオ、いかがでしょう? ハクサビーチ ●アクセス 香港からフェリーやバスで。バスで港珠澳大橋を利用する場合、所要時間は約1.5時間(途中、出入国審査があります)。 ●おすすめステイ先 ザ ロンドナー マカオ 取材協力 サンズ・チャイナ 古関千恵子(こせき ちえこ) リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること30年あまり。 ●オフィシャルサイト
古関 千恵子