メインバンク取引社数 増加率トップ GMOあおぞらネット銀行 山根武社長 単独インタビュー
―法人口座の開設について
口座開設では当然、犯収法(犯罪収益移転防止法)等に沿った開設審査や本人確認をする必要があり、厳しく審査している。そのため申し込まれた方すべてが開設できるわけではない。謝絶もあるし、最終的に書類が揃わずに開設できないこともある。 ただ、ネットバンクならではのテクノロジーを活用することで、紙の書類を店頭に持っていく必要がなく、自分で資料をアップロードしてネット経由で申込から審査、開設まで完了する仕組みに利便性を感じる方が多いと思う。実際、書類が完璧に揃って、諸条件を満たしていれば即日口座開設も可能だ。 書類を完璧に揃えることはなかなか難しい。上場企業と違って創業間もない企業には、実態確認をするためのエビデンスがなかなかないところも多い。そのため、「わかりやすいガイドを用意する」、「サポートツールを充実させる」などにも心を砕いている。
―TSRの調査ではメイン行としての存在感が高まっている
新しい企業は、どこに口座を開こうかと考える時に、弊行を選んでくれる方が、最近非常に多い。以前は、ネット完結する手続きの利便性や、他行宛て振込手数料が設立1年未満の企業は月20回無料などのコスト面での経済合理性などが選ばれる理由であったが、最近は、口座開設後の利便性向上施策により開設数が増えたと感じる。特に社会保険料や税金の支払い、日本政策金融公庫の返済などがネット銀行としていち早く口座振替できるよう対応した点が評価されている結果だと思う。 ただ、裏側では苦労した。基本的に口座振替の手続きは紙での対応が主流だ。先方との長期間の交渉で、手続きのスキーム等の検討を両者で重ねた結果、道を切り開くことができた。こうした法人のお客さまのニーズを汲み取り、サービス開発・改修することに、この2年間継続して取り組んできた。そしてようやく花が開いてきたという印象だ。 これだけの開発・改修ができるのも、エンジニアが社内におり、システム開発を内製化しているためで、短期間、スピード開発・提供も同行の強みとなっている。