「読むと死にます」「この家、何かがおかしい」「怪異に、宣戦布告します」…… モキュメンタリーホラーが大ブーム ランキングの半数以上を占める[エンターテイメントベストセラー]
8月20日トーハンの週間ベストセラーが発表され、エンターテイメント第1位は『変な家2 ~11の間取り図~』が獲得した。 第2位は『変な絵』。第3位は『変な家』となった。 【動画】「まさか表情変わってないだろうな・・・」フェイクドキュメンタリー「Q」の動画を見る 今週はモキュメンタリー(ドキュメンタリー風フィクション)ホラーが多数ランクイン。1位から3位を占める雨穴さんの「変な家」シリーズをはじめ、5位の『フェイクドキュメンタリーQ』、7位の『お前の死因にとびきりの恐怖を』。さらにトーハンのジャンル分けにより文芸書部門にランクインしている『近畿地方のある場所について』背筋[著](KADOKAWA)など、ドキュメンタリーの形をとったホラー作品に注目が集まり、若い世代を中心に一大ブームとなっている。各作品のもともとの発表場所は小説投稿サイトやYouTube・ネットメディアなどで、作品の形式も小説や動画・記事など様々。そうした場所で小出しにされる断片的な情報をつなぎ合わせて読者が「考察」し、SNSに投稿し広がりをみせ、商業出版につながるといったかたちも多い。ゲーム的な「気づく」快感がホラーのぞっとする部分をさらに膨らませ、心が大きく揺さぶられる仕掛けとなっている。こうした手法は他のジャンルにも広がっており、テレビ東京系列で放送されたドラマ「イシナガキクエを探しています」や、イベント「行方不明展」、ウェブサイト「かがみの特殊少年更生施設」など様々な形のモキュメンタリー系エンタメが花盛りとなっている。一方で4位にランクインした『私が見た未来 完全版』も、夢というかたちで与えられた断片的な情報を「考察」して現実の天災に結びつけて語っており、この作品が注目を集めるのも前述のブームと同じ流れのなかにあるのかもしれない。
1位『変な家2 ~11の間取り図~』雨穴[著](飛鳥新社) 雨穴最新作! 『変な家』第2弾! 14万字超、完全書き下ろし! あなたは、この「11の間取り」の謎が解けますか? 前作に続き、フリーライターの筆者と設計士・栗原のコンビが不可解な間取りの謎に挑む。(中略)すべての謎が一つにつながったとき、きっとあなたは戦慄する! (飛鳥新社ウェブサイトより抜粋)
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